「子ども虐待による死亡事例」から考えて欲しいこと 地域医療に貢献する 「子ども虐待による死亡事例」から考えて欲しいこと 2011年(平成23年)7月20日、厚生労働省は、「子ども虐待による死亡事例等の検証結果(第7次報告概要)及び児童虐待相談対応件数等」を公表しました。 虐待死の実態 上記リンク先によると、平成22年度の児童虐待による死亡事例例数は、47例で49人の子供が亡くなった(心中を含めると77例で88人)と報告されています。 虐待による死亡49人の内、 0歳児が20人(40.8%)と一番多く、 0~5歳児が約9割(43人)を占めていました。 ・・・・・・・・・・・・・多くが5歳までの逃げる力のない子供達です。 死因は、 「頭部外傷」(30.6%)、 心中事例で「頚部絞厄」(33.3%)でした。 ・・・・・・・・・・・・目的が殺人である事を示しています。 虐待に至った原因は、 「望まない妊娠」、 「妊婦健診未受診」、 「母子健康手帳未発行」が多いと公表されました。 ・・・・・・・・・・いずれも望まれていなかった子供達が犠牲になっています。 課題と提言を見ても、 虐待防止に関してはあまり期待を持てそうな内容ではありません。 虐待が発見されても公的機関が対応するまでの時間的な余裕はあまりなく、 個人的には未婚少女の妊娠に対して距離を置いてしまっている事が考えられる事から、周囲の身近な信頼される大人の早期介入が必要と思われます。 また、児童相談所における児童虐待相談対応件数 によれば、児童相談所への虐待相談件数は、平成22年度は55,152件ありました。 都道府県別では、多い順から大阪府、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の順で、 この5つの都道府県で17,067件と全体の約31%を占めていました。 ・・・・・・・・・・・・・都市部で「望まれない子供達」を産み、相談もしたけれど、孤立した幼い母親像が浮かんできます。その原因は・・・。 0~5歳児のような抵抗することや逃げることも出来ない乳幼児も、 また未熟な親自身もこのような事態に陥るとは想像もしなかった現実を前に、 双方とも逃げ出したかったに違いない現実に立たされる前に、 少年少女を持つ親たちは、自分の子供の事として考えて頂きたく、この情報を掲載した。 特別な人が招いた「子供に対する虐待死」ではなく、 「虐待によって死亡させた」ことで特別な人となってしまったのではないでしょうか。 そしてその重荷を一生背負って生きていかなければならないとしたら、 被害者となった子供はもちろんのこと、 加害者自身にもあまりに重過ぎると思えるのですが、いかがでしょうか。 その背景には、やはり未熟で無責任な男性の存在が少なくないことを示しているとも考えられます。