衣食足りて礼節を知る (1)衣食足りない時
衣食足りて礼節を知る (1)衣食足りない時
(A) 衣食足りて礼節を知る
「衣食足りて礼節を知る」とは、人は生活に余裕ができて、初めて礼儀や節度をわきまえられるようになると言う意味ですね。
ひねくれ者としては、「衣食足りない時」はどうなのか、「礼節を欠くのか」、あるいは「近年のように衣食は足りているように見える今の時代」の礼節はどうなのかを考えてみたいと思います。
もし、このコラムの最後まで目を通し、ご一緒に考えていただけるなら、恐らく、あなたも毒舌仲間かも知れませんね。
(B) 衣食足りずとも礼節を知る
さて、2011年3月11日の東日本大震災の後、避難所で海外のリポーター達が見聞きして発信した情報は、地震と津波による甚大な被害状況の様子を伝える一方で、家や家族をも失った中でも、被災者の集まるどの避難所や集会所でも日本人の整然とした態度と結束力を次のように伝えていました。
「彼らの中には家族が行方不明なだけでなく、今、住む所も食べる物さえない中で、被災者の態度は冷静で礼儀正しく、日本人は、このような状況でも略奪、暴動の類は気配も感じられない」、また「毛布や食料などあらゆる物を平等に配ろうとしている日本人の結束力は驚くべき対処能力を見せている」、と感動を伝えていました。
この状況は、日本人は「衣食足りずとも礼節を知る」国であり、民族である事を驚きを持って指摘したものです。
(C) 衣食足りても礼節を欠く
被災による人命救助や捜索の中、被災地域が広いだけに警察関係の対応にも限界がある中で、これらの犯罪行為や問題行為の加害者は、震災の被災者ばかりではなく、被災地域以外から窃盗目的で集まった者も少なくなかった事が判明しています。 窃盗に集まる彼らこそ「衣食は足りているのに礼節を欠く」者達でした。
次回、これらの人々の対応について、もう少し考えてみたいと思います。