消えた年金問題 (2)忘れてはいけないこと
消えた年金問題 (2)忘れてはいけないこと
(A) 制度を変えてもだめだった
1997年に国民一人に一つの基礎年金番号が導入され、従来の記録が統合された。
しかし、転職、結婚による改姓、記載ミスで持ち主不明になった記録が、誰の番号にも統合されずに残されていた。その後、事業主が滞納した保険料を帳消しにするため、厚生年金の記録改ざんが行われていたことも判明した。
結果的に、長年支払ってきた年金保険料の管理がずさんであった事に変わりはない。
加えて、ずさんな仕事(年金保険料の徴収と支払の管理)の後始末を、4000億円もの税金を投入して行ったが、民間であれば「いい加減な仕事に対して残業代を払うなどと言うことは考えられない。」と思うのだが、さすが役人と言いたい。ずさんな仕事で次の仕事を作って税金をさらに得たのだ。
手抜き工事をしたあとから、追加の修正工事代金を支払わされるようなものではないでしょうか。
(B) 忘れてはいけない事!
「最後の一人、最後の一円まで」と叫んだ政府及び各党議員の決意と意気込みで、政権まで変わったにもかかわらず、2二千万件もの年金保険料を「誰のかわからん。」で済ませる結果となりそうです。
「百年安心」なんてとんでもありません。
もし間違って安心しようものなら、受け取れるはずのものさえ受け取れず、払った年金保険料の支払証明を自ら用意しなくてはならない羽目にあうかも知れません。あるいは安心させておいて、あとから記録がありませんで済まされてしまうのかも知れません。かつて流行った言葉に「記憶がありません。」と言うのがありました。「記録がありません。」では困ります。
すでに亡くなられた人の中には、受け取れる年金が無くて、ご苦労されたり、必要な治療や介護を受けられなかった方々もいらっしゃる可能性が考えられます。
(C) なぜ税金から払うのでしょう? -尻ぬぐいは国民か-
国家公務員が故意や過失で国民に損害を与えた場合には国が賠償する国家賠償法があります。
しかし、重大なミスを犯した賠償請求は公務員個人に対して出来ますので、今回の調査費用や年金が給付されない人への賠償については、少なくとも歴代の社会保険庁長官を初めとする管理職員に対して請求すべきではないでしょうか。彼らは厚生労働省の天下りですから、退職金を全額回収しても年金がありますので生活には困りません。
これまでにも年金保険料を流用してグリーンピアや豪華官舎や庁舎を造っていますが、中で行っていた仕事はずさんだったで済ますことになります。
いっそのこと、これらの資産をすべて売却してでも、年金問題の対策費用に充てるべきです。それが嫌なら、自らこの問題の解決に向けて汗を流して働いて欲しいところですが、またずさんな確認作業をされても困ります。
これでは、国家公務員の仕事は誰も責任をとらず、その尻ぬぐいを国税でさせられることが常態化しそうで、納得できません。
ほとんど「保険金詐欺」が、「税金でも食ってる」状態と言えないでしょうか。
普通の保険会社が、「保険料の支払い記録が不明なので支払えません。」などと言おうものなら、誰も契約しないでしょう。それに加え、「百年どころか、年金受給年齢を先延ばしにされても」国民は払っているのですから、仕組みが破綻していることは明らかでしょう。
つまり、国は国民に対して責任をとらない事を行ったと言う事を忘れてはならないと思います。
この年金記録問題のずさんさは、あらゆる省庁でなされているかも知れません。これでは日本の歴史そのものまで訳のわからない歴史とならないでしょうか。