急性心筋梗塞 (4)胸痛から倒れるまでに行う自力生還法
急性心筋梗塞 (4)胸痛から倒れるまでに行う自力生還法
(1)胸痛が起きたときに考えられる病気:心筋梗塞との鑑別が重要
心筋梗塞・狭心症・・・・・・・・・・・・・胸痛と呼吸困難。倒れるまでの10秒以内が勝負!
胸部大動脈解離・動脈瘤破裂・・・・慌てずに病院へ急ぎましょう。
肺塞栓・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・呼吸困難と胸部痛があるので、急いで病院へ。
自然気胸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・呼吸困難、頻脈、動悸、咳がある。ゆっくり病院へ。
急性心筋炎・心膜炎・・・・・・・・・・・胸痛、不整脈。ゆっくり病院へ。
食道破裂 ・・・・・・・・・・・・・・・・・嘔吐、胸痛、呼吸困難。急いで病院へ。
いずれも良く似ていますが、心筋梗塞では1番目が胸痛、2番目が呼吸困難というのが特徴です。
(2)脳梗塞との違い
脳梗塞の初期症状では、胸痛はなく、片麻痺や視覚障害、言語障害、ふらつき、頭痛などです。意識は次第になくなる事もありますので、少しでも反応がおかしい感じたら病院へ連れて行きましょう。
(3)心筋梗塞が起きたとき、胸痛から倒れるまでに行う自力生還法
胸痛・圧迫感・呼吸困難が起きたときは心臓発作の可能性が高いので、そのまま放置すると10秒ほどで気を失います。この10秒以内に次の事を行い、生還しましょう。
強く深く速い「深呼吸」をしながら、2秒に1回程度の割合で「咳」を5回程度行う(咳払いは横隔膜を急激に大きく動かし、結果的に肺の吸排気の勢いで心臓に刺激を与え、心筋の運動を促進し、リズムの回復を期待します)
倒れるまでの間に「救急車を呼び、心マを続けて。」と頼めれば、生還の可能性はかなり高くなる可能性が期待できます。あとは周りの人達しだいです。もちろん回数が4回でも、「救急車と心マ」は意識のある内に必ず頼みましょう。
上記は、心筋梗塞の場合であり、倒れた時点では正確な診断は不明です。
心マ(心臓マッサージ)と救急車の手配をする以外の救助者はAED(自動対外式除細動機)を探しましょう。
急性心筋梗塞の死亡率は20%と高いので、倒れた直後から救急隊と交代するまで心臓マッサージを継続し、発症後1時間以内に救急治療室で、3時間以内に心臓カテーテル検査室で治療を受ける事が生還につながります。
救急車の到着までの間の初期治療で行う心臓マッサージは、最も重要ですので、応急処置法をマスターしておきましょう。
最も、自分が倒れた後では、周囲の人達にゆだねるしかありませんので、周囲の人達とは日頃から仲良くしておきましょう。
今日のポイントは胸痛が起きた時に行うべき「自力生還法」です。