ヘモグロビンA1c (5)測定法
ヘモグロビンA1c (5)測定法
HbA1cの測定方法には生化学的手法の高速液体クロマトグラフィー法と酵素法のほか、免疫学的手法のラテックス定量法があります。
従来行われていた高速液体クロマトグラフィー法は手間がかかる事から、大量検体処理に適したラテックス定量法が開発され、検査センターにおける主要な測定方法となっています。
このように様々な測定法があることから、医療機関ごとの比較が難しいという問題を生じ、2007年に測定法の国際標準化が進められました。
各測定法について簡単にご説明いたします。
高速液体クロマトグラフィー法:HbA1cの標準的な測定法として、最も多くの検査室・検査センターで採用されていました。ただし、HbA1c以外のHbを測定してしまいHbA1c検査値が影響を受ける場合があります。また、大量検体の処理には向いておらず、多くの施設で面的学的な測定法に変わって来ています。
免疫法:抗原抗体反応を利用した測定法で、HbA1cを抗原として作成された抗体を用いた特異性の高い測定法です。高速液体クロマトグラフィー法のような非特異的な物質は混入されません。また、この免疫法は大量検体処理に適していて検査コストも安いため、多くの検査室・検査センターで採用されています。
酵素法:免疫法における抗原抗体反応と同様に特定の物質(基質)に対して特異的に反応する酵素反応を利用した測定法です。大量検体処理に適し、検査コストも安いため、今後酵素法を採用する検査室・検査センターが増えてくるとものと思われます。
いずれの測定方法でも、HbA1cの単位は「%(パーセント)」で現す事になっています。これはHbに占めるHbA1cの割合を示しているためです。
次回は、糖尿病と高血圧の関連性についてご説明いたします。