RSウイルス感染症 (1)RSウイルスとは
RSウイルス感染症 (1)RSウイルスとは
2011年9月28日、国立感染症研究所は、全国約3000の定点医療機関から報告される「RSウイルス」感染症の患者数が、2004年の調査開始以降、9月のこの時期としては最も多く、去年の同時期の2倍近くになっている。と報告した。
と言う事で流行の兆しが見え始めているRSウイルス感染症について学びましょう。
RSウイルスとは
RSウイルスは冬に急性呼吸器疾患を起こすウイルスです。
RSの名前の由来は、呼吸器(respiratory tract)感染症患者から分離された感染細胞が多核巨細胞(一つの細胞内に複数の核が存在したり、核が融合して多形核で大きく強く染色される(syncytium)細胞)が見られる特徴に由来します。
すなわち気道粘膜の細胞を染色すると多核巨細胞が見られる事に由来します。
新生児と乳児では細気管支炎や肺炎を起こし、重症化しやすい感染力が強いウイルスによるものです。
一方で、免疫が十分にできないため、くり返し感染し、次第に抵抗力が獲得され、感染の回数がふえるほど症状は軽くなり、2歳以上では「鼻かぜ」程度になります。
従いまして、1歳までの乳幼児の呼吸器疾患では注意しておきましょう。
次回は診断法について述べます。