ノロウイルス感染症 (7)二次感染の予防法、(8)汚物の消毒法と処理法
ノロウイルス感染症 (7)二次感染の予防法、(8)汚物の消毒法と処理法
(7)二次感染の予防法
- 患者の下痢便や嘔吐物には大量のウイルスが含まれています。また、乾燥した嘔吐物や下痢便の粉じんが風で舞い上がり、そばを通ったヒトが吸い込んだり、そばを通ったヒトの身体に付着し、最終的に飲み込むことによって感染します。
- 下痢の症状がなくなった後も、患者の便には7日間ほどウイルスの排出が続くと考えられますので、症状が治まっても安心はできません。下痢症状が治まっても他のヒトへの感染の危険性はまだございますので、手洗いをキチンと行いましょう。
- 汚物を処理する際には使い捨ての手袋を使用し、用便後や調理前の手洗いを徹底しましょう。
(8)汚物の消毒法と処理法
汚物の消毒方法
- ロタウイルスの消毒法と同様に、殺菌には熱湯あるいは0.05から0.1%の次亜塩素酸ナトリウムを使用します。アルコールや逆性石鹸には殺菌効果はありません。「ロタウイルス感染症 (3)家庭での塩素系消毒薬の作り方」を参照して下さい。
- 調理器具、衣類、タオル等は熱湯(85℃以上)で1分以上の加熱が有効です。
汚物の処理方法
ロタウイルス感染症 (2)治療法と消毒法の「汚物の処理方法(家庭での消毒手順 )」を参照して下さい。
- 患者の便や嘔吐物を処理するときは、使い捨ての手袋とマスクを着用する。
- 便や嘔吐物はペーパータオル等で取り除き、ビニール袋に入れる。
- 残った便や嘔吐物の上にペーパータオルをかぶせ、その上から50倍から100倍に薄めた市販の塩素系漂白剤を十分浸るように注ぎ、汚染場所を広げないようにペーパータオルでよく拭く。
- ウイルスは乾燥すると空気中に漂い、これが口に入って感染しますので、便や嘔吐物を乾燥させないことが重要です。
次回は、ノロウイルスのワクチン開発の現状について簡単に説明します。