インフルエンザワクチンについて(2011年版)
インフルエンザワクチンについて(2011年版)
当院でもすでに接種を開始しております2011年製造のインフルエンザワクチンについて、従来までとの相違点を簡潔にご説明させていただきます。
2011年のインフルエンザワクチン(新型+季節性)A/H1N1の抗原
2011年秋冬期から接種するインフルエンザワクチンには、2シーズン前に世界中に流行し、「新型ワクチン」と呼ばれたブタインフルエンザ(H1N1)抗原が従来の季節型ワクチンに 混ぜられているカクテルとなっていますので、今シーズンも1本のワクチン接種で済みます。
2011年秋冬期のインフルエンザワクチンには1本のワクチンに3種類の抗原が含まれます。
(1)新型ブタインフルエンザ A/カリフォルニア/7/2009(H1N1)pdm09株
(2)季節性A香港型 A/ビクトリア/210/2009(H3N2)株
(3)季節性B型 B/ブリスベン/60/2008株
昨年のワクチンとの違いは?
(1)1回の接種量が変更されました。
6ヶ月~3歳未満・・・・・・0.25ml×2回(接種量が増えます)
3歳以上~13歳未満・・0.5ml×2回(接種量が増えます)
13歳以上・・・・・・・・・・・0.5ml×1回(変わりません)
(2)接種間隔が変更されました。
1回目接種と2回目接種の間隔は、今まで通り3週間~5週間程度の間隔が目安です。
但し、年末に1回目の接種をする場合や、海外渡航の予定などで急いで接種をする必要がある方は、2週間以上の間隔で2回接種できます。(昨年までは最短で1週間あければ2回目の接種をすることができました)
(3)6ヶ月の赤ちゃんも接種できます。
今シーズンから生後6ヶ月~1歳の赤ちゃんのワクチン接種量が増量されました。
昨年までは0.1mlを接種する決まりでしたが、今シーズンから国際的な標準量の0.25mlに増量されました。増量により接種後の予防効果の向上が期待されています。
(4)ワクチン株は2010/2011シーズンと同じワクチン株です。
すでに当院ではインフルエンザワクチンの接種を行っていますので、接種希望の方はお早めに来院して下さい。予約は不要です。
アレルギー疾患のある患者さんに対する当院の対応について
1)当院でアレルギーの検査・診断及び治療を受けておられる患者さんの場合
院長が接種を希望される患者さんのアレルギーの原因物質とアレルギー反応の程度、体調及びリスク評価を判断し、接種を行えるかどうかを提案させていただきます。
2)他院でアレルギー疾患の検査・診断及び治療を受けておられる患者さんの場合
当院では接種を希望される患者さんのアレルギーを誘発する原因物質がわかりません。加えてアレルギーの強さや普段の体調に比べて現在の体調の評価が行えません。せっかくご来院頂きましても、かかりつけ医の先生の判断で接種を受けられるようお願いしています。 結果的には、当院での受診経験がないことが接種をお引き受けできない理由のように受け取られがちですが、アレルギーの原因物質と強さの程度が不明なため、ワクチン接種を安全に行えるか否かの判断できないためですので、ご理解下さいますようお願いいたします。
3)当院でワクチン不足になり、2回目の接種を受けられないアレルギー疾患のある患者さんの場合
当院でワクチンがなくなれば接種できませんので、他院で接種を受けていただくことになりますが、他院の先生が安心して接種を行なって頂けるように連絡いたしますので、あらかじめご連絡いただきたいと思います。
インフルエンザワクチンは長年にわたって接種が行われてきましたが、100%の安全が保障されているものではございません。特にアレルギー疾患や重篤な呼吸器疾患、心疾患をお持ちの患者さんに対してはより慎重な対応を必要とされますので、このような患者さんはかかりつけ医の判断で接種を受けられるようにして下さい。