マイコプラズマ肺炎 (1)マイコプラズマの特徴
マイコプラズマ肺炎 (1)マイコプラズマの特徴
(1)マイコプラズマの特徴
三重県感染症情報センターによれば、この9月からマイコプラズマの感染症であるマイコプラズマ肺炎の患者さんが徐々に増え、10月にはこれまでにない患者さんの数に達しています。 http://www.kenkou.pref.mie.jp/topic/myco/myco.htm
そこでマイコプラズマ肺炎についてご一緒に学んでみたいと思います。
<マイコプラズマの構造>
めんどくさい話ですが、マイコプラズマの特徴を知る上で、ウイルス及び細菌の構造について簡単に触れておきたいと思います。
ウイルスは細胞を持たず、タンパク質の膜(殻)と核物質としてDNAまたはRNAのどちらかで構成されます。そのためウイルス単独では分裂増殖できません。他の細胞に入り込んで(感染して)ウイルスの遺伝情報を細胞に読み込ませて複製します。遺伝情報を持つ点では生物としての特徴を有する非生物あるいは物質と考えられています。殻の中に遺伝物質が浮遊している状態で存在しています。
細菌は通常、細胞質を被う細胞膜で囲まれており、その中には核物質(DNAとRNA)の入っている核膜が存在します。細胞質及びその中の核を含む様々な構造物はそれぞれ膜で覆われており、より高等な生物の細胞と同じ機能的分化ができあがっている事から真核生物と言われ、サイズは10~100ミクロンです。
ようやくマイコプラズマの出番です。
マイコプラズマは細菌ですが、通常の細菌がもつ核膜が存在しないという点で、ウイルスと細菌の中間的な構造をしていると見る事が出来ます。細胞質の中に遺伝物質が混ざっている状態ですので、機能的な分化が進んでいない原始的な核の構造である事から原核細胞と言われ、サイズは2ミクロンと小さい事も特徴です。
次回はマイコプラズマ肺炎の症状について説明します。