電解質の役割 (19)高カリウム血症の検査と治療

電解質の役割 (19)高カリウム血症の検査と治療

(A)  高カリウム血症の症状

高カリウム血症の症状は次のように整理できます。

1) 悪心(おしん)、嘔吐、脱水、低血圧などの胃腸症状
2) しびれ感、知覚過敏、脱力感、手足の筋力低下、まひ、などの筋肉・神経症状
3) 不整脈、心室細動や心停止などの心臓由来の症状

(B)  検査     

  1. 血中カリウム濃度測定:5.5 mEq/L以上を高カリウム血症という。
  2. 心電図 検査:高カリウム血症における心電図の変化については、前回の (18)高カリウム血症の症状と心電図変化の関係 でご説明しました。
  3. 尿中カリウム:尿中のカリウムは、高カリウム血症の原因がカリウムの排出障害であるか、細胞内カリウムの細胞外への移動、またはカリウムの摂取過剰によるものかを区別する上で重要です。

  4. BUN   クリアチニン 測定:腎機能を評価する上で必要な検査です。
  5. カルシウム :低カルシウム血症でも不整脈を悪化させますので、調べておきます。
  6. 尿沈渣 :腎機能悪化の原因が細菌感染によるものかを調べます。

(C)  治療

すでに心電図の状態が、危機的な状況であれば波形を正常化させる治療が優先されます。

心臓の状態がそれ程でもない場合は、高カリウム血症の原因となっている病気を治療します。
同時に、カリウムが多く含まれている食品は控え、カリウムの排泄を抑える利尿薬を飲んでいれば、中止します。

これらの処置を行なっても、血中カリウム濃度が改善しない場合は、陽イオン交換樹脂を内服するか、大腸内に注入します。
また、カルシウムやアルカリ性の注射液、ぶどう糖とインスリンの静脈注射を行ないます。これらの方法でも改善しない場合は、血液透析を行ないます。

(D)  余談  -減塩塩について-

高カリウム血症の治療で、極めて緊急的な治療法について述べた後、「減塩塩」のお話しでリラックスしましょう。

一般的に「塩」と言えば塩化ナトリウム(NaCl)を指します。
塩分の過剰摂取は、この「ナトリウム」を摂り過ぎを意味しています。

「低ナトリウム塩」とは、塩化ナトリウムが少ない塩のことです。

それでは、「塩化ナトリウムの少ない塩」とは何でしょうか?

低ナトリウム塩は、塩化ナトリウムの代わりに塩化カリウム(KCl)を加えています。
この塩化カリウムは、塩化ナトリウム同様にしょっぱい味がするので、普通の塩を使うときに塩化カリウムが混ざっていても違和感なく減塩できます。
また、カリウムは生活習慣病予防のためにも積極的な摂取が推奨されています。

しかし逆にカリウムを多く摂取してはいけない人もいます。
それは慢性腎機能障害の人、脱水症の人です。
これらの人では、血液中にカリウムが多くなり、高カリウム血症になってしまう危険性が高いからです。
何もかもバランス良く食べることが、最も重要であり、難しいことであると考えさせられます。
食べることに関して、個性が強すぎてはいけないと言うことでしょう。

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