平成23年(2011)人口動態統計の年間推計の見方 (1)人口減少の理由
平成23年(2011)人口動態統計の年間推計の見方 (1)人口減少の理由
2012年1月1日、厚生労働省は、上記タイトルの人口動態を公表した。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suikei11/dl/gaiyou.pdf この報告によると、
平成23年の出生数は 1, 057, 000人。 死亡数は1, 261, 000人で、 人口は204,000人の自然減となった。
また、3大死因の死亡数は、第1位悪性新生物 35 万 8000 人、第2位心疾患 19 万 8000 人、第3位脳血管疾患 12 万 6000 人と推計される。とした。 なお、婚姻670, 000組、離婚は235, 000組であった。
そして今回の推計結果については、例年と異なり、東日本大震災の影響が反映されていると発表した。
私のデータの見方
さて、2004年の日本国民の総人口をピークとして、 2005年以来、日本の人口は減少傾向に入った。
人口減少の原因は、多くの論評では少子化にあるとしている。
しかし、少子化は2004年からスタートしたのではなく、すでに20年程前(1991年)から始まっていることが、上記リンクの「人口動態総覧の年次推移」のグラフから読み取れる。
また、「少子高齢化と人口減少問題」http://www.heri.or.jp/hyokei/hyokei90/90tyosa.htm の図表2「日本の人口動態の推移」からも明かである。
では、2004年に何があったのか?
それは出生数と死亡数がほぼ同じになり、2005年以降から死亡数が出生数を上回った年であった。
従って、人口が減少に転じたのは、出生数よりも死亡数が上回った事による相対的なバランスの変化もある。
同時に出生数も1991年以降、減少している事は明らかであるが、2005年に急激に人口が減少したのではない。
では、問題はなぜ少子化に入ったのか? 少子化の原因は何なのだろうか?
内閣府の少子化社会白書 http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2004/html-g/html/gg122000.html によると、
1) 仕事と子育てを両立できる環境整備の遅れや高学歴化
2) 結婚・出産に対する価値観の変化と晩婚化
3) 子育てに対する負担感の増大
4) 経済的不安定の増大等 などを原因として上げています。
しかし、内閣府が示した上記4つの原因は、少子化が始まる以前からすでに存在した問題点であり、これらの問題点が急に浮上した事で少子化になったのではない。
従って、内閣府の示した4つの原因は、一見すると少子化の原因を説明しているかのように見えるが、実はそうではない。
その根拠を次回、「私の視点」として述べてみたい。