食事療法 (6)糖尿病の食事療法2
食事療法 (6)糖尿病の食事療法2 ー日常の食生活における注意点ー
前回の 「(5)糖尿病の食事療法1」では、糖尿病の原因はインスリンの分泌量の不足、過食による肥満、不規則な食生活をあげました。
そして、これらの要因の中で食事あるいは食生活に由来するものは、過食及び肥満と不規則な食生活であることを指摘しました。
今回は、前回述べた「糖尿病の食事療法の基本」に基づいて、「日常の食生活における注意点」について考えてみましょう。
日常の食生活における注意点
1 適正なエネルギー量の食事をとりましょう
適正な体重を目指して、日常の生活に必要な量の食事をします。
肥満の改善は、「肥満を改善する高血圧症の食事療法」でも説明していますので参照して下さい。また、そこで摂取エネルギーについても解説しています。
エネルギー摂取量は、性別、年齢、肥満度、日常生活やスポーツによる身体活動量、血糖値、合併症の有無などを配慮し、医師が決定します。
一人ひとり適正エネルギー量は異なりますので、医師から指示されたあなたの量を守りましょう。
2 一日3回規則正しく食べましょう
血糖値を安定させるためには、食事の時間と量をできるだけ毎日一定にすることが大切です。
一日2食にすると、一回当たりの食事量が増え、食後の急激な血糖の上昇につながったり、空腹の時間が長くなることによって栄養素の吸収が増し、体脂肪がつきやすくなったりします。
典型的な悪い食べ方として、「朝抜き、昼そば、夜大食い」があげられます。気をつけましょう。
3 栄養のバランスが偏らないようにしましょう
指示された一定のエネルギー量の中で、身体に必要な栄養素を十分に満たすには、いろいろな食品を偏りなくとることが必要です。
食品に含まれる栄養素には、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル等があり、それらに過不足のないバランスのとれた献立をたてるために、「糖尿病食事療法のための食品交換表(第6版)」 (日本糖尿病協会/文光堂 2002年発行)を利用する方法があります。