あなたの町に (9)国に徴用権はあるの?
(A) 徴用とは
徴用とは、ウイキペディアによれば、「政府が国民や占領地住民を強制的に動員して、兵役を含まない一般業務につかせること。」とあります。
また、「強制的に物品を取り立てて使用すること。」です。
この徴用権は、1939年(昭和14年)の国民徴用令により、勅令(ちょくれい)として定められたもので、当然、戦後、廃止されています。
勅令(ちょくれい)とは、天皇の命令として決められた法律です。
例えば、「税金を徴収する」と言いますが、これは国が給与から所得の一部を法律に従って、取り立てることを言いますが、これは国の権利として認められています。
他方、徴兵は国が国民に義務として兵役を課す事を言います。
徴用は、兵役を含まない一般業務につかせることこれを言いますので、生徒や学生が軍需産業や食糧増産に動員された学徒動員も徴用にあたります。
(B) 徴用令がないにも関わらず
少なくとも現時点では、徴兵も徴用もない時代です。しかし、現政権は「在日米軍基地の移設」に関しては徴用行為をしているのではないでしょうか。
つまり、「徴用令」のない時代にも関わらず、戦前・戦中の全体主義的な政治的命令を内閣で決定して執行していることになります。
従って、今、辺野古で起きていることを見過ごすことは、「徴用」の前例を作っていることを意味します。
同様に、福島第一原発の事故により飛散した放射性物質で汚染されたガレキを保管する場所の選定においても、同じように政府が知事と話し合って受け入れを表明しました。
しかし、地元の自治体や地権者との契約は、何一つ存在していません。
これらの用地の徴用について、国民が慣れてしまい、国と知事が了解したら、国民はどうにもならないと言う前例を積み上げることを意味していると考えられます。