世界の山ちゃんを襲ったノロウイルスとは
世界の山ちゃんを襲ったノロウイルスとは
2010年12月10日、11日両日に「世界の山ちゃん」で食事をした計21人が下痢や嘔吐(おうと)など食中毒の症状を訴え、患者ら(客)2名の便からノロウイルスが検出されたと発表されました。
今回の感染に関しては、食材・食品からウイルスは検出されておらず、スタッフの手についたウィルスが調理過程で食材に付着し感染したと、保健所は衛生管理の指導を行いました。・・・と報道されています。
<ノロウイルスとは>
冬場の嘔吐下痢の代表ウイルスとしてはノロウイルス、ロタウイルスがあります。
細菌性食中毒(サルモネラ、赤痢、O-157等の腸管出血性大腸菌感染症)と、
ウイルス性の嘔吐下痢症との大きな違いは、発生時期の違いがあります。細菌による場合は夏場に多いのに対し、ウイルスによる場合は冬場に多いのが特徴です。
症状:主症状は嘔気、嘔吐及び下痢で、血便はなく、発熱の頻度は低く、あまり高い熱とはならないことが一般的です。
治療:水分補給が最も大切です。抗生物質は無効であり、下痢止めも下痢の期間を長引かせることがあり、通常は投与しません。制吐剤や整腸剤投与等の対症療法が一般的です。
感染経路:
経口感染:ノロウイルスの付着した食物や飲料水により、食中毒症状を起こします。
接触感染:ウイルスの付着した物に触った手で口から感染、あるいは感染患者の吐物や便に触れた手から触れた人の口を通して感染します。
今回の報道では、食材からノロウイルスは検出されておらず、スタッフの手に付いたウイルスが調理過程で食材に付着したとされています。しかし、調理者が不十分な手洗いのまま調理を行ったとすると、下痢便に触れた後に調理した事になり、通常では考えにくく、むしろ、お客さんの中にいたノロウイルス感染者が、お酒の飲み過ぎにより嘔吐が促進され、その吐物をスタッフが処理した際に、(処理後の手洗いが不十分なまま食材の調理を行ったと言うよりは、)吐物の処理が不十分であったために、床に残ったウイルスが飛散した可能性が考えられます。
もし、調理者や吐物を処理したスタッフの手洗いが不十分であるなら、山ちゃんのスタッフも感染していた可能性がありますが、客席に長くいた来店客のみの感染であった事から、吐物処理の不十分さが原因であったと推測されます。吐物や下痢便の処理は徹底する必要がある事を示しています。
参照:国立感染症研究所・感染情報センター http://idsc.nih.go.jp/disease/norovirus/taio-b.html