白血球 (10)原爆後の寿命調査の結果(放射線影響研究所の報告)
白血球 (10)原爆後の寿命調査の結果(放射線影響研究所の報告)
原爆被爆による白血病の発症率
寿命調査団の中で0.005 Gy以上の線量を骨髄に受けたと推定される49,204人の内、2000年までに204例の白血病死亡例が確認されています。
このうち原爆放射線に起因すると推定される過剰例数は94例(46%)です。他のがんとは対照的に、白血病の被爆放射線量反応関係は二次関数的であり、低線量では単純な線形線量反応で予測されるよりもリスクは低くなっています。しかし0.2-0.5 Gyの低い線量範囲においても白血病リスクの上昇が認められています。
http://www.rerf.or.jp/radefx/late/leukemia.html
<解説>
上記の報告は、0.005Gy=5mGy(ミリグレイ=mSv:ミリシーベルト)であるので、5mSv(ミリシーベルト)以上の被爆を意味します。 また、福島第一原発事故後にしばしば安全基準の一つとして上げられる100mSvは、上記のアンダーラインで示した「0.2-0.5 Gyの低い線量範囲においても白血病リスクの上昇が認められています。」については、無視されています。
原爆被爆による白血病の種類
急性および慢性の骨髄性白血病と急性リンパ球性白血病のみにリスクの増加が認められています。
成人T細胞白血病や慢性リンパ球性白血病にはリスクの有意な増加は認められていない。
固形がんの発生リスクと同様に、白血病の発生リスクも被爆時年齢に大きく影響を受ける。
年齢の違いによって白血病のタイプにも違いがあり、急性リンパ芽球性白血病は若年者に多く見られるが、慢性および急性骨髄性白血病は高齢者に多く見られる。