眼瞼下垂 (3)治療
眼瞼下垂 (3)治療
(A) 治療はどこで受けるか?
眼瞼下垂の治療を行っている診療科には、眼科、形成外科、美容外科、美容整形と様々な診療科で行われています。
また、切開法は保険診療を受けられますが、埋没法は保険がきかない自由診療となります。
いずれの診療科でも保険診療のみを行っているところもあれば、自由診療も行う医療機関もございます。
どの診療科を受診されても、術後のフォローまでを含めて内容をしっかり理解して下さい。
また、お聞きになりたいことがございましたら、納得できるまで質問して下さい。
その上で、是非かかりつけ医にも相談されることをお勧めいたします。
その理由は、他の患者さんが治療を受けた過去の治療結果、治療成果を「かかりつけ医」がすでに承知している場合があるからです。
どんなに「治療法に関する説明が上手」でも、実際に治療した症例数や治療後の状態を可能な限り開示される医療機関を選ばれることをお勧めいたします。
(B) 治療法の選択
さまざまな治療法がありますが、一般の患者さんが治療法を選択することは難しいと考えられます。
その理由は、眼瞼下垂の原因と下垂の程度、年齢や仕事における目の負担の程度などが様々であり、また治療を行う診療科で過去に行ってきた治療実績もさまざまです。
従って、治療を行う医師の経験と実績もわからない一般の患者さんは、希望を伝えたとしても結果についてまでご自身では責任を持つことは難しいのではないでしょうか。
一番良いと思われる方法は、信頼できる実績のあるところを信頼できる方から紹介していただくことです。
ここでは大雑把に治療法を分類しておきます。
1) 皮膚がたるんだタイプの眼瞼下垂
埋没法:まぶたを二重に折りたたむ方法で自由診療です。
切開法:皮膚のたるみが多くて、折りたたむだけでは改善できない場合には、切開します。これは保険診療が可能です。
リフト法:まぶたではなく、眉の上または下の皮膚を切開する方法で、まぶたには触れないため、目の印象が変わりません。眉ではなく、額の皮膚を切開する方法もあります。こちらも自由診療です。
2) 眼瞼挙筋と言うまぶたを持ち上げる筋肉が弱ったタイプの眼瞼下垂
テープまたは自家組織(筋膜)を使って前頭筋と眼瞼挙筋をつないで吊り上げる方法。
3) 眼瞼挙筋が弱り、まぶたの皮膚もゆるんだタイプの眼瞼下垂
上記よりも重症な眼瞼下垂の場合は、切開法が多く行われます。
いずれの治療方法も、単に保険診療で受けたいと言う判断ではなく、眼瞼下垂の程度や原因、及びそれぞれの治療結果についてもよく相談して下さい。
<クリニックから>
目や眉の印象に影響する眼瞼下垂の治療は、難しい面がございます。
その理由は、目や眉あるいは瞼(まぶた)の美的感覚は、人によって大きく異なります。
そのため、医療者側では眼瞼下垂を上手く治療できたと考えていても、患者さんによっては眼瞼下垂の問題だけでなく、目の印象や美的感想から「もっとこうやって欲しかった。」と言われることも少なくありません。
そのため、医療者側にとっても「眼瞼下垂は治療できたにも関わらず、クレームを言われる」とか、「目の印象に関わるため、控えめな治療を行った結果、治療効果なかった。」と言われたりするため、トラブルになる可能性を抱えています。
術前・術後の多くの症例写真を見せて頂いた上で希望を伝えていても、年齢や眼瞼下垂の程度によっては、切開法でなければ治療効果が出ないこともあり、「治療」と「美容」のどちらに重きを置きたいのかをご自身で決めておくことも必要かも知れません。