高齢者に対する見方 (6)地域における見方を変えるには 地域医療に貢献する 高齢者に対する見方 (6)地域における見方を変えるには 前回の「(5)高齢者の役割を考えなおす」では、現役世代も、また高齢者自身も「相手を尊重しながらこれまでの経験からもの申す。」姿勢を周囲に示すことから、「高齢者の役割を認識してもらう」ことが必要であろうと述べました。 今回は、地域社会における高齢者に対する見方について考えて見たいと思います。 地域社会における高齢者に対する見方を変えるには 大家族の中で暮らしていた高齢者は、家族内でそれなりに役割を担っていました。 そのため、子や孫から時に必要とされることで、親代わりであったり、孫の相手をしながらも家族を抱擁し、信頼される必要な存在でいました。 その後、孫の成長に伴って、子の世話を受ける立場になっても、自立出来る部分は、自ら対応していました。 ところが、核家族が進んだ状況下では、生活における一部分でも自立に困難を生じた場合、何らかの形で周囲に頼らざるを得ない状況になります。 また、大家族の中で果たしてきた高齢者の役割を果たす機会が減り、「高齢者に対する見方(2)」の「加齢以外で何が違う?」で示したように、成熟したヒトとしての人格面を発揮できる機会が失われています。 加えて、地域社会の核家族を構成する若い世代の人達も、核家族の中で育ってきたため「高齢者は保護の対象」としてしか見ていない可能性が少なくありません。 そんな中で、高齢者自身も「保護されることに甘んじてしまうなら、益々、高齢者としての円熟味を発揮する機会は遠のいてしまうでしょう。 上に述べたとおり、(5)高齢者の役割を考えなおす で示したように経験の豊かさと円熟味をもって、「より多くの場面で一言もの申す」態度を示して頂きたいと思います。 高齢者自身が発言し、行動することでしか、周囲の見方は変わりません。 その発言に、豊かな経験とより広い視野から見渡せる「指針」を示すなら、地域においても新しい人間関係を築き上げることで、さらに役割を期待されるのではないでしょうか。