花粉症 (2)スギ花粉症の正体は?
花粉症 (2)スギ花粉症の正体は?
アレルゲンとは
アレルギーを引き起こす原因物質をアレルゲンと言います。すなわちスギ花粉症を引き起こす抗原性物質の事をスギ花粉症のアレルゲンと言います。
スギ花粉症のアレルゲンとは?
それではスギ花粉症のアレルゲン(原因となる抗原性物質)は何でしょうか?
原因はスギ花粉ですが、もう少し詳しくご説明しましょう。
ここでスギ植物の学名は、Cryptomeria japonica と言います。
そしてスギ花粉症を引き起こすアレルゲンは、スギ花粉の中に含まれるCry j1(クリジェイワン)、Cry j2を言います。
Cry j1、Cry j2の名前の由来は、スギの学名Cryptomeria japonicaから付けら略名です。
Cry j1、Cry j2とは何でしょうか?
スギの花粉成分中に含まれる Cry j 1(クリジェイワン)及びCry j 2 は、スギ花粉に含まれるタンパク質成分です。これらはいずれも分子量が40,000の塩基性のタンパク質です。
このCry j 1の大部分は花粉の最表層を構成する花粉壁外層に存在しています。 花粉表面のCry j 1は花粉細胞で作られたものではなく、葯(やく)の細胞でつくられた後に花粉に移行してきたものと考えられています。
他方、Cry j 2は花粉壁には存在せず、細胞質内のデンプン粒に局在しています。
Cry j 1は弱塩基性の生理的緩衝液で花粉から短時間に効率よく抽出され、その抽出量は花粉1g(1,000mg=1,000,000μg)あたり500μg程度であることがわかっています。
従いまして、スギ花粉症の患者さんは、スギのアレルゲンであるCry j1、Cry j2に対する特異的なIgE抗体があることが明らかにされてきました。
しかしながら、実際には、 Cry j1やCry j2が単独で飛び回っているわけではございません。スギ花粉の大きさは30ミクロン前後ですが、花粉の表面に花粉症や喘息を悪化させる強い抗原性を持った数ミクロン以下の微粒子(オービクル)が付着しています。現在のところオービクルの成分については明らかにされていません。