お知らせ IMD(侵襲性髄膜炎菌感染症)ワクチンの接種開始
お知らせ IMD(侵襲性髄膜炎菌感染症)ワクチンの接種開始
2010年、アメリカ・オクラホマの幼稚園から高校生までの一貫校で、IMDの感染により2名が死亡したため、即座に全校生にIMDワクチンを接種したところ、感染の拡大を防ぐことが出来ました。
それ以降、オクラホマ州では11~12歳頃に、80%近くの子供達がIMDワクチンを接種しています。 これより遅れること5年、日本でもIMDワクチンが7月より接種可能となりました。
髄膜炎菌には、12種類のタイプが知られていますが、その中で侵襲性の感染を起こすのは、主に、A群、B群、C群、W135群、Y群、X群の6タイプです。
侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD、Invasive meningococcal disease )とは
- IMDは、現在、集団接種されている髄膜炎菌ワクチン、肺炎球菌ワクチン、日本脳炎ワクチンでは防ぐことが出来ません。
- IMDは、ヒトからヒトへ、くしゃみ、鼻水、血液などを介して拡大し、初期症状は、風邪との区別がつきません(感染形態は飛沫感染と接触感染)。
- IMDワクチンの接種は、DT(ジフテリア・破傷風の二種混合)ワクチンを接種する頃が最適とされています。
- IMDは、きわめて毒性が強く、進行が速いため、重症化し、死亡することがあります。日本では毎年20名以下ですが死亡が報告されています。死亡率は10代で最も高いことが知られています。
- IMDは、乳幼児と10代後半に感染のピークが有り、人との接触が密な場所で発生しやすく、学生寮(特に運動部の寮生活者)などの集団生活、食器やコップなどの共有がリスクとして上げられています。
- IMDは、流行地域への赴任、旅行、留学などをする人には感染の可能性があります。
<用語説明>
侵襲とは
侵入して、襲撃する(生体内をかき乱す)こと。
IMDでは、頭痛、発熱、髄膜刺激症状の他、痙攣、意識障害、紫斑、点状出血、ショックなどをきたし、早期診断が遅れると治療は難しくなります。
<クリニックから>
IMDワクチンの入手には一週間程度かかります。
今のところ、任意接種です。希望者は院長までお申し出下さい。