花粉症 (3)アレルギー性鼻炎の原因は?
花粉症 (3)アレルギー性鼻炎の原因は?
アレルギー性鼻炎の原因は?
スギ花粉症では、スギ花粉に対して特異的なIgE抗体がアレルギー症状を引き起こす原因となるの細胞(肥満細胞)にくっついています。従って、アレルギー症状の鼻炎を引き起こす原因はスギ花粉です。
肥満細胞とは?
肥満細胞とは肥満とは関係ありませんが、染色して顕微鏡で観察しますと、大きな塩基性色素で染まる顆粒を多く含むことから膨れた様に見えるので肥満しているように見えたことからついた名前です。この塩基性色素で染まる顆粒の中にはヒスタミンやロイコトリエンが含まれています。
アレルギー性鼻炎の機序
肥満細胞表面のIgE抗体に飛散してきたスギ抗原(Cry j 1、Cry j 2)が結合することで、肥満細胞が刺激され、塩基性顆粒内のヒスタミンやロイコトリエンというアレルギー症状の原因となる物質が放出されます。
ヒスタミンやロイコトリエンは、知覚神経や血管を刺激し、くしゃみや鼻汁、鼻づまりを生じさせます(即時相反応)。
花粉抗原と肥満細胞の反応が繰り返されると、鼻では好酸球という細胞が多くなります。この好酸球が上皮細胞を傷つけて過敏な状態が引き起こされます。
増加した好酸球は鼻の上皮細胞の傷害を生じ、粘膜の過敏性が亢進し、症状が長引きます(遅発相反応)。
さらに悪化すれば、副鼻腔炎を生じ、頭痛や集中力の欠如を招きます。
こうなる前に花粉症のためのマスクを着用した対策やお近くのかかりつけ医で治療を受けましょう。
花粉症を悪化させる黄砂
黄砂が肺に入ると花粉症や気管支喘息などのアレルギー症状が悪化します。
特に、日本まで飛来する黄砂の粒子は非常に細かく、肺に入りやすいため、適切なマスクで黄砂の侵入や吸い込みを防ぐことが必要です。
もちろん黄砂だけでなく、排気ガスや工場から排出される煙などでも喘息を悪化させます。
以上が花粉症によるアレルギー性鼻炎を生じる原因とその機序です。