経済連携協定(EPA)とは
経済連携協定(EPA)とは
2012年3月26日に厚生労働省が公表した看護師国家試験合格者の詳細を公表した。
中でも経済連携協定(EPA)により来日して、日本の試験に挑戦した方々の受験結果を全体の結果と比較すると以下の通りであった。
受験者数 合格者数 合格率
EPA 415 47 11.3%
全 体 53,702 48,400 90.1%
また、2012年3月28日公表された第24回介護福祉士国家試験の結果についても公表した。
受験者数 合格者数 合格率
EPA 95 36 37.9%
全 体 137,961 88,190 63.9%
<用語説明>
EPAとは
ウイキペディアによれば、自由貿易協定(FTA)を柱として、関税撤廃などの通商上の障壁の除去だけでなく、締約国間での経済取引の円滑化、経済制度の調和、および、サービス・投資・電子商取引などのさまざまな経済領域での連携強化・協力の促進などをも含めた条約である。 さらに、物流のみならず、人の移動、知的財産権の保護、投資、競争政策など様々な協力や幅広い分野での連携で、両国または地域間での親密な関係強化を目指す条約。とある。
<私見>
受験結果について
EPAの目的は、人の移動を含む両国または地域間での親密な関係強化を目指すとあるが、上記の受験結果を見る限り、少なくとも看護師国家試験の合格率の差はあまりに顕著である。
それにもまして、介護福祉士の受験結果は、来日された方々のみならず、彼らを受け入れた現場の尽力も少なくなかったことが報道されている。
EPAは少なくとも契約国間で言語・分化・宗教の違いがあることは、元から承知の上での話ではないだろうか。 それならば、少なくともこれらの違いは、受験者のがんばりに頼るのみではなく、両国あるいは関係国の協力によって克服していくべき課題であろう。
いつまでも両国あるいは関係国が、互いの言語や文化を受け入れないなら、今後EPAの目的である親密な関係強化はどのように達成していくつもりであろうか。
仮に日本側がインドネシア語を学んだり、あるいは医療や介護の現場でインドネシア語を使われることで仕事上の困難を生じると考えるなら、多くの国で使われ、また学習されている英語を第2母国語として日本も取り入れる事を考えても良いのではないだろうか。
国際社会の中で日本が生き残るには
これまでも主に経済においては、グローバル化が叫ばれ、そして実際に進展している。
しかしながら今後、日本人の人口は減少傾向をたどり、国内産業を維持していく上でも多くの外国人に頼らざるを得なくなるだろう。それまでに私たち日本人もこれまで以上に言語の習得に力を注ぐことで、関係国との連携や関係強化に役立つのではないだろうか。
もはや英語は学問ではなく、日常生活のためのツールとして日頃から使うことで、将来の日本の対応力が鍛えられて行くものと思う。 物や経済だけでなく、ヒトの交流が盛んになれば、日本が生き残るには日本語だけでは厳しくなるだろうと考えられる。
もし身の回りに頼る人が、外国人ばかりになった時、頼れるのはそれらの外国人と意思の疎通を図れるかどうかしか生きる道はない。少なくとも、これまでEPAで来日し、受験された方々は自分の将来や母国の家族のために生き残りをかけた挑戦をしたのだと思う。 私たち日本人にその覚悟が果たして出来ているかどうかを問われているのかもしれないと考えられないだろうか。