2015年のインフルエンザワクチンについて
2015年のインフルエンザワクチンについて
(A) すでにインフルエンザウイルスの感染が始まっています
2015年のインフルエンザ感染症は、流行が早く、すでに学級閉鎖が行われた地域もあります。当院でも9月に入って間もなくB型インフルエンザの患者さんが出ています。
(B) 2015年からウイルス株数が変更されます ←ご注目ください!
インフルエンザワクチンは、WHO(世界保健機構)の流行予測に従って、各国でワクチン株を決めています。
世界的には、A型2株、B型2株の4価ワクチンが標準的に使用されていますが、日本ではこれまでA型2株、B型1株の3価ワクチンを接種してきました。
過去のワクチン株については、国立感染症研究所をご覧下さい。
ところが今年からインフルエンザワクチンは、3価(A型2種類、B型1種類)から、B型株が1種類追加され、4価(A型2種類、B型2種類)になり、抗原が一種類増量されました。
A型はH1N1とH3N2、B型は山形株とビクトリア株が含まれます。
これまでB型インフルエンザワクチンは、A型ワクチン程の効果が得られないことが知られています。従いまして、B型を2株に増やしたからと言って有効性が高まるか否かは、流行終息後の判定結果を待つ事になります。
(C) 初めての4価ワクチンの大量製造
ワクチンメーカーにとっても4価のインフルエンザワクチンの大量製造は初めてです。
このワクチンには国家検定が有り、これに合格したワクチンでなければ接種できないため、新しいワクチンで合格数が少ない場合には、当然、ワクチンの数量不足が心配されます。
以上のような理由から、受験に合わせて12月に入ってからの接種は、ワクチン不足となる可能性があることをご承知おき頂きたいと思います。
当院では、インフルエンザワクチンの接種は10月に入ってから、入荷後すぐに始める予定です。
今年は初めての4価インフルエンザワクチンのスタートとなりますので、かかりつけ医での接種をお勧め致します。
(D) 1回の接種量と接種回数は?
6ヶ月~3歳未満・・・・・・0.25ml×2回
3歳以上~13歳未満・・0.5ml×2回
13歳以上・・・・・・・・・・・0.5ml×1回
(但し、13歳以上であっても、基礎疾患(慢性疾患)があるために免疫抑制があると考ええられる場合には、医師の判断で2回接種を勧められる事もあります)
(E) 接種間隔は?
1回目接種と2回目接種の間隔は、
2週間~4週間程度の間隔が目安です。
(13歳以上は1~4週間となっています)
但し、どちらも3週間以上開けた方がより有効な予防効果が得られます。
(F) 接種に際しての注意点
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卵アレルギーのお子さんについては、原則として接種していません。
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6ヶ月からの接種が可能ですが、当院では1才未満児については卵を食べさせたことのないお子さん、卵アレルギーのあることが疑わしいお子さんへの接種は致しません。
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1才未満児に対するワクチンによるインフルエンザ重症化を防げるというデータは出ていません。
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ご家族の皆さんがワクチン接種を受け、1才未満児にうつさないように予防して頂きたいと思います。
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妊婦さんへのサロメチール・フリーの接種ワクチンは、前年度に比べて確保が難しい可能性があります。お問い合わせの上、ご来院下さい。
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授乳婦さんに対しては、これまで妊婦さんと同様のワクチンを接種させて頂きましたが、不足の際には、一般のワクチンを接種させていただくことになりますので、ご承知下さい。
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13才以上の受験生に対して2回接種をご希望の方は、ご相談の上、必要な場合に限らせて頂きます。
インフルエンザワクチン2015 <65歳以上の高齢者への公費負担>
関連情報
アレルギー疾患のある患者さんに対する当院の対応について(中段以降)
インフルエンザの最新点滴治療薬について(2011年1月)