厚生労働省の「ジェネリック医薬品への疑問に答えます」から (3)薬の特許
厚生労働省の「ジェネリック医薬品への疑問に答えます」から (3)薬の特許
薬の特許
ジェネリック医薬品が「安い」「同じ効果」と利点ばかりであれば、医師もすぐにジェネリック医薬品に変えているはずです。しかし、実際はそうではありません。
なぜなら、ジェネリック医薬品にはそれなりの違いや欠点が存在するからです。
ジェネリック医薬品は完全に特許が切れたわけではないからです。
特許が切れたのは物質特許であり、薬の主成分(有効成分)についてだけです。
薬の特許には物質特許、製法特許、製造特許の三つがあります。
物質特許:薬の有効成分の化学構造に認められる特許です。
製法特許:薬物に添加することで溶けやすくしたり、安定させ、吸収しやすくする添加物に特許があります。
製造特許:剤形やコーティングによる特許です。 これは錠剤、カプセル、粉状などさまざまな形があります。
同じ剤形(例えば錠剤)でも、コーティングの仕方や内部構造に工夫が施されており、その結果、溶解速度やそれに伴う吸収に違いが現れます。
今回は薬の特許について簡単にご説明しました。
ジェネリックは主に薬の有効成分は先発医薬品と同じですが、添加剤や剤形及びコーティングには違いがあります。
その結果、薬の溶ける速度や吸収速度にも違いが現れ、結果的に薬としての効果にも違いを生じる危険性はあり得るということです。
ここでなぜ「危険」かと言いますと、溶ける速度が速すぎれば、吸収が早過ぎて血中濃度が安全な濃度以上に上がる危険性が考えられます。また逆に、溶けにくければ血中濃度が上がりにくく、薬の効果が十分発揮されない可能性も考えられるからです。
従って、主成分が同じならジェネリックでも薬として先発医薬品と同じ効果がきたいできるかもしれませんが、同じ効果が期待できないばかりか、薬効が期待できないことや臨床試験による安全性も確認されていません。