第97回薬剤師国家試験の合格発表
第97回薬剤師国家試験の合格発表
厚生労働省は3月30日、上記タイトルの結果について公表した。http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000016lph.html
結果は以下の通りであった。下段は昨年の結果です。
受験者数 合格者数 合格率
平成23年度 9,785 8,641 88.31%
平成22年度 3,274 1,455 44.44%
より詳細な男女別や国・公・私立などの区分別結果については、下記のリンク先を参照してください。http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000016lph-att/2r98520000016lqy.pdf
前年に比べて受験者数が3倍に達しており、合格率も倍増しています。
この原因の詳細については不明ですが、受験者数の増加は、薬学部の修学年限が6年生に完全に移行した結果と思われます。
加えて、http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000016lph-att/2r98520000026kq9.pdf を見ると大学別の合格率がわかるが、東京大学が受験者数20名、合格7名で、合格率は35%と最も低い結果であった。
東大薬学部には薬科学科と薬学科があり、薬剤師の国家試験を目指す薬学科の定員は8名であるので、受験者数20名というのは、4年生修了者や前回不合格だった人達も再受験したものと思われる。
ちなみに薬科学科は創薬研究者を目指す人達のコースとなっているようだ。
確かに、ここ5~10年間の新薬承認にはめざましいものがあるが、国内で創薬された薬であっても臨床試験に時間がかかりすぎることから海外で臨床試験を行い、海外で認可後に国内での認証を得るケースも珍しくない。
彼らがどのような医薬品の開発に寄与していくのか期待したい。他方で薬学科の低迷ぶりは、他大学と比べても大きく水をあけられている点が気になる。
最後にもう一点付け加えさせていただくなら、女子学生の受験者数・合格者数及び合格率の方が、男子学生よりも高い。 もはや医療における調剤に関しては、女性の薬剤師さんの活躍がめざましいかと思われる。
願わくば、継続して薬剤師として従事していただきたい。なぜなら、合格者が多いにもかかわらず、もし現場では女性が少ないというようでは、薬剤師もEPAに頼ることになりかねないからである。