食品添加物 (5)亜硝酸ナトリウム3 地域医療に貢献する 食品添加物 (5)亜硝酸ナトリウム3 このシリーズのはじめに紹介した「(1)食品添加物とは」で、以下のように説明しました。 2015年10月26日、世界保健機関(WHO)の研究機関である国際がん研究機関(International Agency for Research on Cancer : IARC)は、赤身の肉及び加工肉の摂取が大腸がんの原因になると発表しました。 それでは、肉及び加工肉に含まれる亜硝酸量はどれくらいなのかを調べてみましょう。 肉に含まれる亜硝酸量は? 生鮮食品中の硝酸塩、亜硝酸塩含有量によれば、以下の基準が示されています。 硝酸塩(㎍/g) 肉1Kgでは 牛肉 2.6 ㎍/g 2.6mg 豚肉 4.5 4.5 鶏肉 3.2 3.2 ロースハム 6.3 6.3mg ポークソーセージ 8.8 8.8 (4)亜硝酸ナトリウム2で示した通り、JECFA(国連食糧農業機関と世界保健機関の合同食品添加物専門家会議)が定めた一日許摂取量(ADI)は、 硝酸ナトリウムの安全基準は、0 ~ 3.7 mg/kg bw/day でした。 これを体重50 Kg の人が摂取できる硝酸イオン量に換算してみますと、 3.7 mg/Kg/日 × 50Kg = 185 mg/50Kg/日 となりますね。 上の表に示した肉類の平均として1Kg中には約5mgの硝酸塩が含まれると仮定しますと、一日に摂取できる肉類の量は、 185/5=37 ・・・・つまり、肉類1Kgの37倍となりますので、37Kg までなら一日許容摂取量以内と言うことです。 肉類を30Kg 以上も摂取することは、年間を通して一日もあり得ません。 しかしながら、生鮮食品中の硝酸塩、亜硝酸塩含有量をご覧頂きますと明なように、多くの生鮮食品に硝酸イオンが含まれていることがわかります。 すなわち、肉に限らず多くの食品に硝酸イオンが含まれていますので、特に多く含まれている食品が何かと言うことは、知っておかれた方が良いかもしれません。