食品添加物 (10)人工甘味料2 地域医療に貢献する 食品添加物 (10)人工甘味料2 -アステルパーム2- 前回の「(9)人工甘味料1 -アステルパーム1-」からしばらく間が開いてしまいました。 このサイトで様々な内容を扱っていて、つい忘れてしまいました。失礼しました。 それでは早速続きを始めます。 アステルパームの 安全性 米国食品医薬品局 (FDA) の審査では、経口摂取されたアスパルテームの大部分が分解も代謝も受けずに体外に排泄されるという結果が出ています。 従って、調味料として普通に使う量では急性毒性や慢性毒性の問題が起こらないと解釈されています。 加えて、前回の「アステルパームとは」で示したように、消化管でメタノール、アスパラギン酸、およびフェニルアラニンに代謝された後、蛋白合成に利用されたり、二酸化炭素として排出されるとされています。 しかしながら、メタノールは失明や致死などの人体への毒性が知られていますが、アステルパームは果物や野菜、酒類にも含まれるなど、量的に無視できると判断され、使用されています。 これらの事から、アステルパームの代謝で摂取することになるメタノールは、トマトや柑橘類のジュースから摂取する量よりも少なく、問題にならない量であると考えられています。 加えて、国際ガン研究機関(IARC)は、「アステルパームに発ガン性は認められない」ことを発表しています。 ところが2007年、マウントサイナイ医科大学は、ラット胎児に一日許容消費量(約2g;ダイエットソーダで7.5缶/日)の二倍のアステルパームを投与し続けた結果、発ガン率の上昇が統計的に認められるという研究結果を公表しました。 WHOによるアステルパームの一日許容摂取量(ADI値)は? WHOが示したアステルパームの一日許容摂取量は、40mg未満/体重Kg(動物実験の安全基準量の100倍量)です。 これを体重50Kgのヒトに換算してみますと、上の50倍ですから、 ⇒ 体重50 kg のヒトでは、2,000 mg /日(2g/日)までと換算されます。 ダイエット飲料の摂取量はどれくらいでしょうか? ⇒ ダイエット飲料(350ml)に含まれるアステルパーム量は、約120mg~180mg程度です。 従って、ダイエット飲料(350ml)なら、体重50Kgのヒトでは11本程度が一日の摂取限度量に相当します。 他方、体内にアステルパームを接種した場合に生成されるメタノール量は? ⇒ 摂取アスパルテーム量の約10%がメタノールに変換されます。 と言う事は、アステルパームを2,000mg摂取すれば、メタノール生成量は約200mgです。 さて、体内に接種されたメタノールが毒性を現す摂取量は? ⇒ メタノール300mg/kg体重以上とされています。 これをダイエット飲料の摂取量に換算しますと、 ⇒ 体重50Kgのヒトでは、ダイエット飲料約16本程度の摂取で、毒性が出現されそうです。 以上のことから、日常的に摂取するペットボトル1~2本分のダイエット飲料では、特に重大な健康被害は現れないだろうと考えられています。 しかしこの基準は、成長を終えた成人の摂取量と考えるべきであり、成長過程にある小児の安全性試験の報告や基準ではありません。