医者を青くするもの (72)玄米4
医者を青くするもの (72)玄米4 -玄米食の頻度と2型糖尿病の発症リスク-
前回の「(71)玄米3 -白米食の頻度と糖尿病発症リスク-」では、アメリカ人における白米食の頻度と2型糖尿病発症のリスクについて下記の報告からご紹介しました。
今回は下記の報告から、玄米食の頻度と2型糖尿病の関係についてご紹介します。
アメリカにおける玄米食と白米食の2型糖尿病における有効性
タイトル:White rice, brown rice, and risk of type 2 diabetes in US men and women.
訳:「アメリカ人の2型糖尿病リスクにおける白米と玄米について」
研究者:Sun Q, Spiegelman D, van Dam RM, Holmes MD, Malik VS, Willett WC, Hu FB.
研究機関:Departments of Nutrition, Epidemiology, and Biostatistics , Harvard School of Public Health.ハーバード大学の栄養学、公衆衛生学、生物統計学研究室の研究です。
公表雑誌:Arch Intern Med. 2010 Jun 14;170(11):961-9.
方法
「(70)玄米2の方法」でご説明した3つのグループ(HPFS、NHS I、およびNHS II)それぞれで、玄米摂取量と2型糖尿病の関係を調べました。
但し、3つの各グループにおける玄米食の摂取頻度は同じでも、以下の条件が異なるため、バラツキを調整しました。
その条件とは、玄米摂取量について分類した際の構成年齢や人種、BMI、喫煙状態、アルコール摂取、サプリメントの使用状況、身体活動量、糖尿病の家族歴、閉経の状態とホルモン剤の使用状況、総エネルギー(キロカロリー/日)と赤肉、果物や野菜の摂取量についてです。
そしてグループ間のバラツキを調整したデータで計算する値がモデル1~3です。
<このように独立したグループの調査結果を評価することで、調査結果に対する客観性を担保しようとしています。>
結果
下に示した表3がその結果です。下の表3もリンクしていますので、クリックしてみてください。
玄米食の頻度による2型糖尿病発症リスクを相対的に評価しています。
<1> 毎月一回未満の場合の2型糖尿病発症リスクを 1.0 として、
<2> 玄米食が一月に1回~週に一回の糖尿病発症リスク、及び
<3> 玄米食を週に2回以上の場合の2糖尿病発症リスクを相対的に評価しています。
最も右列の「P for trend」は、有意水準を意味しています。
結果 -たくさんのデータの中で注目すべきポイントはココだけ!-
そこで上記リンク先の表3で、左列の下から2行目にある「固定効果モデル」の相対リスクのカッコ内に示されている95%信頼区間をご覧下さい。
この固定効果モデルとは、上の方法で述べた3つのグループ間における影響要因を取り除いて、グループ間の差を無くし(固定化し)て、「3つのグループをまとめた相対リスク」を現していると言えます(下の図の赤丸部分)。
(71)玄米3の<相対リスクについて>の(2)に示したように、下の表3の()内の信頼区間が「0(ゼロ)」をまたいでいないのは、次の通りです。