食事バランス (10)帰宅が夜遅い人の食事バランス
前回の「(9)バランスの良い食事を目指すには」の「夕食のバランスをとる」でも触れましたが、不規則な生活で夕食時間が遅いヒトの食事バランスは、食事バランスだけの問題ではなく、消化吸収の負荷を減らすひと工夫が求められます。
夜遅い人
何かと忙しい現代人。
仕事で帰宅が夜遅くなり、それから食事をとるという方も多いでしょう。
食事が終わったらすぐに就寝し、朝は時間も食欲もないので、朝食を摂らないという方も増えています。
夜遅くの食事は胃への負担や体重増加を招くうえ、朝食をとらないことで栄養のバランスが崩れ、さまざまな身体の不調を引き起こす要因にもなりかねません。
夜遅い食事は、脂肪として蓄積されやすい。
上のリンク先には、消化時間が次のように示されています。
炭水化物(ご飯・パン・うどん等)・・・・・・・2~3時間
タンパク質(卵・刺し身・牛肉) ・・・・・・・4時間前後
脂質が多いもの(天ぷら・ステーキ等)・・・4時間以上
従いまして、夜遅い時間に消化に時間のかかる食事を摂ると、エネルギーに変換されないまま脂肪として蓄積されてしまうため、太りやすくなります。
さらに肥満が原因で、生活習慣病のリスクも高まります。
夕食時間が遅くなる場合は、消化に時間のかかる脂質を多く含む食品や、炭水化物(ご飯、めん類など)、いも類、糖分の摂取を控えることをお勧めします。
遅くなることが事前にわかっている場合は、夕方におにぎりなどを間食として食べ、夕食はおかずだけ摂るなどの工夫が必要です。
蛋白質(肉類)や脂質の多い食品は、できるだけお昼までに摂取することで食事バランスを改善する事も出来るのではないでしょうか。
夜遅くなる人におすすめの食事
夜遅い食事に向いているのは、基本的には野菜・きのこ・卵・豆腐などのカロリーが低い食材を、できるだけ油を使わずに調理(蒸す・煮る・茹でる・オーブンやトースターで焼くなど)した食事です。
肉や魚も、脂質の少ない鶏のささみ・皮なしのムネ肉・豚ヒレ肉・白身魚・鮭・エビなどがお勧めです。
野菜から先によく噛んで食べることで、満腹感が増し、食べ過ぎ防止にもつながります。
ドレッシングやマヨネーズなどの調味料にも注意が必要で、ノンオイルやカロリー控えめのものを選ぶようにしましょう。
<私見>
体力と気力の限界まで働いていれば、食事でしっかりとエネルギーを補うことで、体力も気力も回復が期待できます。
しかしながら、その食欲が旺盛なあまり、過食になり、エネルギーを過剰に摂取してしまう生活が継続するなら、やがて肥満の原因となります。
食事には時間をかけ、談笑しながら摂取することで過剰摂取を幾らかでも抑制できます。
夜遅く帰宅し、一人で食事をすれば話し相手もなく、過食傾向を招きますので、ご家族の方がそばにいて話しかけるなどの工夫も食事バランスを保つ上で役に立つのではないでしょうか。