食事バランス (6)食事バランスを損なうとどうなる1? 地域医療に貢献する 食事バランス (6)食事バランスを損なうとどうなる1? さて、多くの食事は、好きな食品をたくさん食べていないでしょうか? つまり、食事バランスの損なわれた食生活をおくっている事になります。 そこで「食事バランスと死亡リスクについて」調査した国立がん研究センターの報告をご紹介します。 食事バランスと生活習慣のアンケート調査 国立研究開発法人・国立がん研究センターの「社会と健康研究センターの予防研究グループ」は、食事バランスと死亡リスクとの関係についてまとめた報告をご紹介します。 ここではその内容について、上記リンク先を引用させて頂きます。 予防研究グループでは、生活習慣と、がん・脳卒中・心筋梗塞などの病気との関係を明らかにし、日本人の生活習慣病予防と健康寿命の延伸に役立てるための研究を行っています。 平成2年(1990年)と平成5年(1993年)に全国各地(具体的な地域は上記リンク先を参照して下さい)の40~69歳の方々に、食事調査を含む生活習慣についてのアンケートを行いました。 そのアンケート結果について、「食事バランスガイド遵守と死亡との関連を調べた」として専門誌に論文(British Medical Journal 2016年3月22日号)として発表された下記の報告をご紹介します。 題して「食事バランスと死亡リスクの関係について」ご紹介します。 タイトル:Quality of diet and mortality among Japanese men and women: Japan Public Health Center based prospectivestudy. 訳:「日本人男女の食事の質と死亡率について:日本保健センター統合研究班」 研究者:Kurotani K, Akter S, Kashino I, Goto A, Mizoue T, Noda M, Sasazuki S, Sawada N, Tsugane S; Japan Public Health Center based Prospective Study Group. 公表雑誌:BMJ. 2016 Mar 22;352:i1209. <日本保健センター(JPHC)とは> Japan Public Health Center-based Prospective Study(JPHC)の略で、全国11保健所と国立がん研究センタ ー、国立循環器病研究センター、大学、研究機関、医療機関との共同研究で様々な研究を総合的に評価して、日本人の健康に関する情報をまとめる事を目的としています。 より具体的には、がん、心筋梗塞、脳卒中、慢性疾患の発生率とその平均寿命から、原因となる日本人の生活の質である食生活、運動、喫煙、飲酒などの生活習慣との関連性を明らかにし、10年以上の長期的な追跡調査から、病気の発生に関連するライフスタイルの習慣を明らかにする研究チームです。 (A) はじめに ・・・・目的と方法の概要 これからご紹介させて頂く上記研究報告の目的は、日本人男女の食生活を詳細に調べ、評価して分類し、長期の食生活からどのような病気になりやすいかを明らかにする事です。 具体的には、下記のアンケート調査項目から、それぞれの食事内容がどのような食事バランスの食事を摂取しているかについて評価し、食事バランスと病気の発症、及び寿命との関連を調べました。 (B) 方法1 ・・・<アンケート調査項目について> 1) 主食(ごはん、パン、麺)、 2) 副菜(野菜、きのこ、いも、海藻料理)、 3) 主菜(肉、魚、卵、大豆料理)、 4) 牛乳・乳製品、 5) 果物、 6) 総エネルギー、 7) 菓子・嗜好飲料由来のエネルギー 以上7項目の各摂取量を10点満点として評価しました。 そして70点満点の食事バランスガイド遵守(じゅんしゅ)得点を算出しました。 遵守とは、規定に従って守っている事を意味し、順守、厳守と同じ意味です。 (B) 方法2 ・・・・<具体的な食事内容の評価方法> なお、標準的な摂取カロリー2200kcalを摂取するヒトが、摂取した食品区分と摂取単位(SV)は、以下のように評価しました。なお詳細は、こちらです、または上記論文の表2を参照して下さい。概ね、簡単に区分しますと表2の内容は、以下の通りです。 表2 食事バランスの摂取単位及び摂取エネルギー、アルコール摂取に基づく点数化 食品区分 0点 1-9点 10点 主食 0または14以上 5未満、8-13 5-7 副菜 0 5SV未満 5以上 主菜 0又は10以上 0-3未満、5-10 3-5 牛乳・乳製品 0又は4以上 2未満、2-4以下 2以上 果物 0 2未満 2以上 エネルギー(Kcal) 4800以上 2000未満、2400-4800未満 2000-2400 アルコール(Kcal) 400以上 200-400 0-200 上記の左列は、食品区分である主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物の摂取単位(SV)に一日の摂取エネルギー量(Kcal)及びアルコール摂取量(Kcal)を加えた7項目に基づいて、各10点満点とし、合計70点満点でスコア化しました。 点数化した後、その点数に基づいて「食事バランス」の良いグループから、悪いグループまでの間を4つに区分しました。 4つのグループの区分については次回ご説明します。