栄養と寿命 (3)ベジタリアン
栄養と寿命 (3)ベジタリアン
現代病とは
現代病と言われる現代の生活様式や環境が過去と比較してみると異なっているから、 現代の生活様式や生活習慣に由来する病気をさす言葉です。
(a)かつての病気と言えば、主に伝染病や感染症であり、また栄養不良に基づく病気でしたが、衛生環境の改善や経済発展に伴う医療技術の発展もあり、多くの病気が克服されてきました。
(b)それに対して現代病には、ストレスや食習慣、生活習慣の変化に伴い、心臓病、脳血管疾患、高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満などの病気が含まれていると考えられます。
時代背景と食事
当然、(a)の病気における食生活は、多くがベジタリアンだったかも知れませんが、(b)のような病気の背景には、ストレスと豊かな食糧事情、運動不足などが横たわっていると考えられます。
従って、時代背景や生活習慣を現代病に焦点を絞って注目され、また高い関心が注がれている食事が野菜を中心とした食事だと思います。
ベジタリアンとは
次回以降に紹介させていただく調査報告で中心となる言葉の定義について、簡単に触れておきます。
広い意味で、ベジタリアン(菜食主義)とは、動物性食品を避け、穀物、豆類、種実類、野菜、果物を中心に摂る人を指していますが、以下のように分類されています。
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- ラクト・オボ・ベジタリア(乳卵菜食):肉類、魚介類は食べないが、卵・乳製品と野菜・穀物を食べる食事。
- ラクト・ベジタリアン(乳菜食):乳製品と野菜・穀物を食べる食事。(肉類、魚介類は食べない。)
- オボ・ベジタリアン(卵菜食):卵と野菜・穀物を食べる食事。(肉類、魚介類は食べない。)
- ビーガン(絶対菜食):上記のベジタリアンが、卵や乳製品を食べるのに対し、ビーガンは、それらを一切口にせず、動物性の素材を用いた靴・衣服も身につけない人達です。
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ベジタリアンは健康か?
さて、このようなベジタリアンの食事が注目されてきたのは、現代病が多くの人の健康を害している食生活の状態が目立ってきたからです。
かつて、食糧事情が悪く、伝染病が蔓延することのあった時代には、多くの人がベジタリアンであり、あえてベジタリアンなどと言う言葉もなかったことでしょう。
ところが多くの現代病の原因は、食生活がそれ以前の食習慣と大きく変わって来たことが指摘されてきました。
さらに最近では、食習慣と病気との関連性が指摘され、特に肥満、高血圧、糖尿病では、食事指導を受けるために入院指導を受けることさえもあります。
次回以降、上記のベジタリアンの食生活を継続した場合の栄養状態や病気の発症頻度についての調査報告をご紹介しましょう。