とびひ (2)とびひの症状
とびひ (2)とびひの症状
とびひには、水疱性膿痂疹と痂皮性膿痂疹の2種類があり、それぞれの特徴は次のとおりです。アトピー性皮膚炎の患者さんは大量の汗で抗菌ペプチドが流されることで、皮膚のバリア機能が低下して、とびひにかかりやすいので注意しましょう。
(A) とびひの症状
(1) 水ぶくれができる水疱性膿痂疹
皮膚にできた水ぶくれが、だんだん膿(うみ)をもつようになり、やがて破れると皮膚がめくれてただれてしまいます。かゆみがあり、そこを掻いた手で体の他の部分を触ると、症状が体のあちこちに広がってしまいます。とびひの多くはこのタイプで、黄色ブドウ球菌が原因です。
(2) かさぶたができる痂皮性膿痂疹
皮膚の一部に膿(うみ)をもった水ぶくれ(膿疱(のうほう))ができ、厚いかさぶたになります。炎症が強く、リンパ節が腫(は)れたり、発熱やのどの痛みを伴うこともあります。主に化膿性レンサ球菌が原因となります。
(B) とびひの特徴
水疱性膿痂疹 | 痂皮性膿痂疹 | |
原因となる細菌 | 黄色ブドウ球菌 | 化膿レンサ球菌 |
症 状 | 紅斑、水ぶくれ、かゆみなど | かさぶた、リンパ節の腫れ、発熱、のどの痛みなど |
できやすいところ | 目・鼻・口のまわりから症状が出始めることが多く、やがて広がる | 顔面などの露出部に出来てから、多発性に全身にできる |
かかりやすい季節 | 夏(暖房の普及で、冬でもみられる) | 季節に関係なし |
かかりやすい年齢 | 7歳未満の乳幼児 | 年齢に関係なし |
溶レン菌が原因である痂皮性膿痂疹では、まれに後遺症として腎炎を合併する危険があります。また、アトピー性皮膚炎を合併することもありますので、乳幼児の皮膚疾患は早めに受診しましょう。
次回は、とびひの治療についてです。