子宮頚がん予防ワクチン (1)接種後の副反応
子宮頚がん予防ワクチン (1)接種後の副反応
子宮頚がん予防ワクチン
子宮頚がん予防ワクチンには、サーバリックスとガーダシルと言う2種類のワクチンが販売されています。
両ワクチンについては、このサイトでも http://takamidai-clinic.com/?p=2664 でご説明させて頂きました。
また、先に承認されたサーバリックスの副反応に関しても、http://takamidai-clinic.com/?p=255 で触れてきました。
そして今回、「失神や意識喪失が多い」と報道されている基になった資料は、http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000020b41-att/2r98520000020b9n.pdf だと思います。
そこで今回、上記のリンクの資料の中で、多く接種されているサーバリックスの副反応について、少し詳しく資料を見ていきたいと思います。
子宮頸がん予防ワクチン接種後の失神関連副反応について-サーバリックスに関して-
その資料によれば、報告は販売開始から平成23年11月30日までの間に集められた報告とのことです。
サーバリックスによる副反応の詳細
サーバリックスによる副反応では、「意識消失」、「失神」、「失神寸前の状態」、「ショック」、「神経原性ショック」、「意識レベルの低下」、「意識変容状態」に該当する副反応の発現例 は 604 例。 内、意識消失のあった症例は416 例と報告されています。
さらに報告資料3ページ目にある「接種から意識消失までの時間(接種後 30 分までに発現した症例)」数の合計は、343例。 この中で15分以内に意識消失した症例数は、 227例でした。
そして、報告資料5ページの「接種 30 分までに意識消失を発現した症例の回復までの時間」は、1分以内の回復例が161例でした。
厚生労働省の対応
これだけ多くの報告がある以上、厚生労働省は早急に、因果関係の解析に取り組まなければならないと考えます。
また、因果関係に関する結論が出されるまでの間、このワクチンによる予防接種事業を継続させるなら、 各医療機関にどのように対応すべきかとの指針や注意も指示すべき事ではないでしょうか。
<当院の対応>
当院では基本的にはどのようなワクチンであっても、接種後30分間は院内で休んで頂くこととしています。
その理由は、予期しないアレルギー反応やショックあるいは意識消失を含む様々な副反応を生じた場合、可能な限り迅速に対応させていただきたいからです。
また、帰宅後も出来る限り安静を保っていただくようお願いしています。
患者さんの中には、医院の注意にも関わらず、すぐに帰宅される方もいらっしゃいます。
しかしながら、医院として出来ることは接種後にもしもの場合を考えて、医院を出て行かれるまでは責任を持って対応できる状態を整えているつもりです。
そのため、診療時間終了間際に来院された患者さんの接種はお断りしています。
診療時間の30以上前に接種できないため、医院のスタッフが不足していたり、近くの総合病院の受け入れ体制が不十分な状態では、副反応に対する対処が遅れたり、適切な対応が出来ないことを避けるためです。
厚生労働省には一日も早く、因果関係についての結論を明らかに示していただきたいと願っています。