食品添加物 (58)カラギーナンとは
食品添加物 (58)カラギーナンとは
カラギーナン(carrageenan)とは
硫黄原子を含む多糖類の一種で、D-ガラクトースと硫酸から構成される高分子化合物です。
紅藻類(赤色っぽい海藻類)からアルカリ抽出により得られます。
組成は同じく紅藻類から得られるアガロース(寒天の主成分)に似ていますが硫酸を多く含む点で異なります。。
カラギーナンの化学構造は、左下の通りです。右下はアガロースです。
左上のカラギーナンの化学構造には、カッパ(κ)、イタオ( i )、ラムダ(λ)の3種類があり、それぞれ粘性の固さが違います。
カラギーナンの使われ方
粘性の固さの違いを利用して、食感が滑らかにできる性質から、次の様に利用されています。
食べ物にとろみをつける増粘剤
液体の分離を防止する安定剤
液体を固めたりするゲル化剤
使用されている食品の幅は広く、
デザート類、アイスクリーム、乳製品、飲料、ソース、かまぼこ、ちくわ、ハム、ソーセージでは、 増粘・ゲル化剤として、
脂の代わりに添加するゲル化剤
歯磨剤、シャンプー、化粧クリーム – 安定剤
食品添加物としての利用
カラギーナンは少なくともヒト消化管ではほとんど分解されないl事から食物繊維の一種とみられており、また多くの国で食品添加物として扱われています。
最大使用量
経ロ投与 423mg、その他の内用 423mg、一般外用剤 30mg/g
反復投与毒性、遺伝毒性、ガン原性、生殖発生毒性については、上記リンク先を参照して下さい。
大量投与される動物実験では発ガン性が指摘されていますが、FAO/WHO 合同食品添加物専門家委員会では、一日許容摂取量の制限を設定していません。
これは事実上、通常の摂取量では毒性リスクは「ない」と判断していると考えられます。
用語説明
ゼリーとジェルとゲルは同じようで、解りにくい
ゼリー(jelly)いう言葉は、英語読みするとジェルあるいはジェリーで、
お菓子類では、果汁、ゼラチン、砂糖の組み合わせで作られたもので、寒天を含みます。
他方、整髪料、基礎化粧品、クリーム類については、「ジェル」と表現することが多いように思います。
ゼラチンとは、動物の皮膚や骨、腱などの結合組織の主成分であるコラーゲンに熱を加え、抽出した蛋白質を指す事から、「タンパク質のゲル」と言う事が出来ます。
ゲル(gel)は、ゼリー、ジェリーあるいはジェルを含み、上記よりも一般的な表現です。
ゲルの特徴は、 弾性、粘性で、硬さと粘り気です。
温度によってゲルは、固体と液体の両方の性質を併せ持 っています。
皮膚や髪の毛などを構成するタン パク質であるコラーゲンを細かくばらしたのがゼ ラチンで、そのゼラチンを熱湯で溶かし、冷 やしてゲル状態にしたものがゼリーです。
ゲル は、お湯 の中ではバラバラな高分子であったゼラチンが、温度を下げることによって一部分が結合し、網目構造を作るようになります。
コラーゲンは、動物の真皮、靱帯、腱、骨、軟骨などを構成するタンパク質です。
<個人的なまとめ> ・・・違っているかもしれませんが。
何だか解りにくいですね。整理しましょう。
日本語表現では、ゼリーは主にお菓子類を指しており、
豚足(とんそく)は、コラーゲンで構成されており、これに熱を加えるとゼラチンと言うイメージでしょうか。
そして化粧品類のジェルは、食べ物のゼリーと同じで、これら全てを「ゲル」と言っても良いでしょう。
ところで「コンニャク」は、上記のどれにあてはまるでしょうか?