咽頭結膜熱(プール熱) (2)治療
咽頭結膜熱(プール熱) (2)治療
感染経路
通常は感染小児の咳による飛沫感染や、目をこすった手指を介する接触感染で伝染する可能性があります。また、感染児の使用したタオルを共用することでも感染します。
プールを介した場合、眼の結膜やノドからのウイルスによる感染と考えられます。
治 療
咽頭結膜熱の原因ウイルスに有効な薬はありませんので、症状に対する対策が主になります。
熱が高い時は解熱剤を使用し、咽頭炎によるのどの痛みには、鎮痛剤(痛み止め)や抗炎症剤で、結膜炎に対しては点眼薬(炎症を抑えるステロイド剤入りの目薬)を使用します。
細菌による二次感染を防ぐため抗生物質が処方されることもあります。また水分補給にも注意が必要です。
予 防
感染者との密接な接触を避けることと、うがいや手洗いなどをきちんとすることです。
プールを使用する前後には、きちんとシャワーで全身に浴びると共に、水道水で目の洗浄やうがいをしましょう。タオルの貸し借りは、感染の原因となりますので、やめましょう。
備 考 ・・・・原因ウイルスが解った場合
発熱やノドの痛みから咽頭炎が疑われた際、ウイルスの検査を行わなかった時は、原因ウイルスは不明ですので、咽頭炎という診断名になります。
迅速検査により咽頭結膜熱の原因ウイルスであるアデノウイルスが検出されればアデノウイルス感染症となります。
発熱及びノドの症状と眼の結膜の充血があれば、咽頭結膜熱と言う診断名になります。
「咽頭結膜熱(プール熱) (1)原因」で、原因ウイルスは数種類のアデノウイルスとご説明させて頂きました。
咽頭結膜熱が疑われ、ウイルス検査でもアデノウイルス抗原が陽性であれば、アデノウイルス感染症と言う診断名でも咽頭結膜熱でも同じ意味を持ちます。
そして、咽頭結膜熱と言う診断名は、学校感染症の一つであり、主要症状がなくなった後、2日間登校禁止となります。
他方、アデノウイルス感染症は、学校感染症ではありません。
学校感染症とは
学校において予防すべき感染症として学校保健法で指定されている病気です。
学校や幼稚園を休んで頂くには、咽頭結膜熱の診断名を付けなければなりません。
アデノウイルス感染症という診断名では、休まなくても良いという事になります。 ちょっと変ですが、アデノウイルス感染症は学校感染症ではないからです。
なお、登校の基準は、主要症状が消退した後2日を経過するまで出席停止とする。・・・とされています。