温泉の効果 まとめ
温泉の効果 まとめ
温泉あるいは入浴の科学的効果について、「熱ショック蛋白質」の観点から現時点の入浴効果についてご紹介します。
(4)ラドン温泉効果 ・・・安全性と有効性を確認するには。
(5)動脈の構造とアテロームについて ・・・・動脈硬化の基礎知識を補いましょう。
(6)実験的アテローム性動脈硬化症の誘導方法 ・・・実験的に動脈硬化を誘導する。
(7)アテロームを誘導したラットの入浴実験 ・・・・動脈硬化を誘導したラットを入浴させる。
(8)動脈硬化症の炎症部位における炎症細胞(単球・マクロファージ)の集積に及ぼす入浴の効果
・・・・入浴により、炎症細胞である単球・マクロファージの集積を抑制していました。
(9)動脈硬化症の炎症部位における単球遊走化タンパクの出現に及ぼす入浴の効果 ・・・ラットを入浴させることで、炎症反応は抑制されていました。
(10)動脈硬化症炎症部位における熱ショック蛋白質出現に及ぼす入浴の効果
・・・入浴させたラットではHSP72が発現されており、炎症部位における修復が示されました。
(11)動脈硬化の炎症部位におけるNADPHオキシダーゼに及ぼす入浴効果
・・・入浴により炎症部位における単球・マクロファージのNADPHオキシダーゼが抑制されました。
さて、入浴あるいは温泉の効果についてご紹介させていただきました。
入浴により、心も身体も炎症が癒されるようです。その機序は概ね次のとおりです。
入浴の効果は、感覚的なものではなく、入浴により
上記(8)に示したように、炎症部位における炎症細胞の集積を抑制し、
(10)に示したように、炎症部位で熱ショック蛋白質HSP72が発現され、
(11)に示したように、炎症細胞の活性化をも抑制していました。
その結果、入浴により炎症が抑制されることをご理解いただけたでしょうか。
この熱ショック蛋白質の産生部位は、熱ショック蛋白質を染色した(10)の結果が示す通り、炎症部位(今回の場合、動脈硬化を誘導された動脈)の中膜と外膜でした。
この結果に基づいて、「頭がカッカしているときは、頭まで入浴する」と、怒りが治まるといいですね。