風疹 (1)風疹とは
風疹 (1)風疹とは
2012年7月13日の毎日新聞ニュース によると、「東京都内で風疹が流行 1週間で39人、08年以降最多に」と報道された。
以前にも関西で流行していたが、このところ人口が過密な首都圏を中心に風疹の感染が広がっていると指摘されています。
また、国立感染症研究所の2012年7月11日現在の風疹発生動向調査を見ても、風しん累積報告数の推移 2008~2012年 のグラフ1の赤線で示されているように、2012年の累積感染数は突出しています。
そこで、今回は比較的症状の軽い風疹の注意点について解説いたします。(内容は主に国立感染症研究所の引用です。)
風疹とは
風疹ウイルスによっておこる急性の発疹性感染症で、流行は春先から初夏にかけて多くみられます。潜伏期間は2-3週間(平均16-18日)。
風疹ウイルスは患者さんの飛まつ(唾液のしぶき)などによってほかの人にうつります。
発疹のでる2-3日まえから発疹がでたあとの5日くらいまでの患者さんは伝染しやすいものの、感染力は、麻疹(はしか)や水痘(水ぼうそう)ほどは強くありません。
風疹の症状
主な症状として発疹、発熱、リンパ節の腫れが認められます。
子供では比較的軽いため、軽く考えられがちですが、まれに脳炎・髄膜炎、血小板減少性紫斑病などの合併症が、2,000人から5,000人に一人くらいの割合で発生することがあります。
また、それ以上に問題となるのは、将来、(妊娠初期に感染すると胎児が感染し)先天性風疹症候群の子供を出産するリスクです。当然ですが、伴侶となる男性から妊婦である妻に感染する危険性もあります。
次回は、先天性風疹症候群についてご説明します。