風疹 (3)予防接種の勧め
風疹 (3)予防接種の勧め
予防接種の目的
風疹の予防接種の最も重要な目的は、 先天性風疹症候群を予防することです。
中途半端な予防接種率では、未接種で小児期に自然感染しないまま成人になる人が増えるため、罹患年齢の上昇を招き、結果的に妊婦の風疹患者及び 先天性風疹症候群 患者の増加につながることが指摘されています。(風疹流行および先天性風疹症候群の 発生抑制に関する緊急提言 )に従い、単に風疹ワクチン接種者個人の風疹予防にとどまらず、免疫を獲得しないまま成人後に妊娠を迎えた際、夫婦のどちらかが風疹ウイルスに感染することで、その後に生まれ出る子の先天性風疹症候群のリスクを減らす事が目的です。
風疹予防接種の勧奨
上記リンク先の緊急提言によれば、以下の人達に対して風疹ワクチンの接種が勧められています。
1. 妊婦の夫、子供及びその他の同居家族への風疹予防接種の勧奨
2. 定期予防接種勧奨の強化
3. 定期接種対象者以外で風疹予防接種が勧奨される者への接種強化
1)10代後半~40代の女性で妊娠の希望あるいはその可能性の高い女性
2)産褥早期の女性
勧奨の理由については、上記リンク先の緊急提言の4~9ページに記載されています。
風疹感染(疑いを含む)妊娠女性への対応
風疹に感染した妊婦の胎児のすべてが 先天性風疹症候群を発症するものではありません。
妊婦検診では、妊婦全員に風疹抗体を検査することが望ましいと指摘されています。
妊娠女性への対応診療指針も周知されていますので、ご心配な方は、かかりつけ医に相談されることをおすすめいたします。
用語説明
産褥(さんじょく):妊娠及び分娩を原因として発生した身体の変化が、妊娠前の状態に戻るまでの期間のこと。主な症状としては、体重の減少、悪露(おろ:分娩後に子宮から排出される分泌物)の排出、発熱、後陣痛、乳汁の分泌、子宮の縮小、うつ状態など。