床ずれ (2)床ずれの見極めかた
床ずれ (2)床ずれの見極めかた
誰でも同じ姿勢を保つことで、身体の接触部分は赤くなります。
では、それが「床ずれか」、「床ずれではないか」をどうやって見分けるのかを考えてみましょう。
(A)床ずれの見極めかた ・・・どこを観察すればよいか?
床ずれの予防には、まず皮膚の状態を毎日、観察することです。
床ずれができやすい部位は、骨が突出していてベッドマット、布団、椅子などで圧迫されやすいところです。
おむつ交換や着替え、入浴時に床ずれができやすい部分を必ず観察しましょう。
皮膚が赤くなっていたら、その部分が圧迫されないよう身体の向きを変えてみます。
30分後、赤みが消えていたら床ずれではありません。
赤みが消えない場合は床ずれの出来始め可能性がありますので、医師や看護師に相談しましょう。
指押し法 ・・・下の写真は日本褥瘡学会から引用させて頂きました。
褥瘡のできやすい部位の皮膚が赤くなっている場合、それが褥瘡であるのかを確かめる方法に、人差し指で赤くなっている部分を軽く3秒ほど圧迫し、白っぽく変化するかどうかを確認する方法があります(指押し法)。
押したときに白く変化し、離すと再び赤くなるものは褥瘡ではありません。
押しても赤みが消えずそのままの状態であれば、初期の褥瘡と考えます。
・・・・「押しても赤みが消えずそのままの状態」とは、皮膚の深部で血管の破綻によって赤血球が血管から漏出したものと考えられます。
褥瘡は不可逆的に阻血障害(局所の貧血)に陥った状態ですから、発生初期には「発赤」となって現れます。
この阻血(そけつ)とは、動脈の狭窄あるいは閉塞により血液流入が障害されることで、動脈血量の減少による局所の貧血です。
そして阻血障害とは、局所の虚血による組織の変性、萎縮、壊死を意味します。
(B)具体的な観察
毎日、身体をよく見て、次のような変化がないかをチェックしましょう。
①発赤・紫斑
②水ぶくれ・むくみ
③ただれ・潰瘍(かいよう)
④滲出液やにおい
⑤局所の熱や体温の変化
(C)どこにできやすいか?
仰向けに寝ている場合、おしりの中央にある骨の飛び出した部分(仙骨部)で最も多く、「床ずれ」が出来易い部位とされています。
他にも、寝続けている場合には、後頭部、肩甲骨、カカト もできやすいところです。
これらの部位は、いずれも骨の突出部です。
床ずれは一度出来てしまうと、完治するのに多くの時間と労力を必要としますので、日頃から予防を心がけることが大切です。
(D)床ずれ防止の三原則
1)体位交換で同じ部位の圧迫をさける
2)清潔を保ち、刺激をさける
3)全身の栄養状態をよくする
次回は、上記の床ずれ防止について、もう少し踏み込んで考えてみましょう。