床ずれ (5)床ずれの在宅治療における薬剤とドレッシング材
床ずれ (5)床ずれの在宅治療における薬剤とドレッシング材
ドレッシング材
ドレッシング材は「創(キズ)の湿潤環境形成を目的とした創傷被覆材(そうしょうひふくざい)」を指していますが、従来のガーゼを除く医療材料として日本褥瘡学会で定義されています。
このドレッシング材には、創の湿潤環境を保持し治癒環境を整える機能があります。
そして褥瘡(じょくそう)の治癒過程に沿って、創の収縮や滲出液の減少に応じたドレッシング材を選択していくことが必要です。
ドレッシング剤の役割は、キズを覆うことで、外部からの刺激や細菌の汚染などを防ぎます。
また、非固着性(創面にくっつかない性質)のドレッシング剤であれば、交換の際、肉芽組織(治癒過程のかさぶた)や再生した組織を損傷しにくく保ち、疼痛も少ないことから、より早い治癒が望めます。
さらに、ドレッシング材によって浸出液を吸うことのできる量や性質が異なりますので、キズの深さや浸出液の量によって様々なものを使い分けられています。
各ドレッシング剤の種類と機能については、日本褥瘡学会のサイトから引用した下の表のように分類されています。
塗り薬
創部に感染(細菌が増えて炎症が起こっている状態)がある時に使えるもの、
感染が落ち着いた後に創部の治癒(肉芽形成、上皮化)を促すものや、
保湿により創部を保護するものなど、 ・・・・その役割はさまざまです。
ぬり薬は、基剤に薬効成分が溶け込んだもので、薬効成分が重要であることは言うまでもありませんが、基剤の性質(油脂性:油分による創面の保護。乳剤性:乾燥した組織に水分を与える。水溶性:浸出液を吸収する。)は、創面に大きな影響を与えますので、選択する際の大きなポイントとなります。
褥瘡の消毒や洗浄、治療薬や褥瘡の管理などについても、日本褥瘡学会の「ぬり薬の表」を下に引用させて頂きますが、「発赤、紫斑、水疱、破れた水疱、びらん、潰瘍、浸出液」の状態を評価しながら使うというのがおおまかなガイドラインです。
詳細は、上のリンク先をご参照下さい。
関連情報
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