床ずれ (7)古田法とは
床ずれ (7)古田法とは
床ずれ(褥瘡)に対して軟膏などの外用薬を使用する目的は、壊死組織の除去、細菌感染の抑制、肉芽形成などがあります。
床ずれの状態や患者の全身状態に応じて、適切な薬剤を選択して治療することが大切です。
古田法とは
薬剤師の古田 勝経(ふるた かつのり)氏は国立長寿医療研究センター、高齢者薬物治療研究室で、ユーパスタコーワ軟膏、ゲーベンクリーム、カデックス軟膏などを適切な割合で混合することで、褥瘡治療において優れた有効性を公表しています。
上記の外用医薬品は、いずれも「「適用上の注意」として、「他剤と混合して使用しないこと。」と添付文書に明記されています。
薬剤師の本来の役割は、添付文書違反の調剤指示があったら「疑義照会」するべきところなのですが、主として医師は、外用薬の主成分についての知識で治療を行おうとします。
しかしながら、外用薬を単剤で使用する場合、褥瘡部位における浸出液の湿潤状態をコントロールするには主成分以外の大部分を占める基剤の特性を把握する必要があります。
そこで、単剤での湿潤調節が難しい場合には、基剤の特性を調製する必要があると考えられます。
さらに基剤の特性が変化することに伴い、主剤と皮膚創部との親和性による経皮吸収性まで変化することも考えられます。
従って、主成分が単剤であっても他の基剤をブレンドすることで、基剤特性を変化させ、褥瘡の湿潤状態に対応させることで、適正な湿潤状態を維持することにより、有効な褥瘡の治療を図ろうとしたものと思われます。
そして古田法による褥瘡治療の結果、何ら治療経過に問題をもたらさないこと、従来まで困難とされた褥瘡にも治療の有効性が評価され、また治療期間の短縮などが明らかにされた事から、これまでの褥瘡治療を大きく転換させたと評価されたと考えられます。
疑義照会とは
処方せん中に疑わしい点(疑義)がある場合、薬剤師は処方箋を発行した医師等に問い合わせて確かめる (照会)まで調剤してはならない・・・と言う薬剤師の義務です(薬剤師法第24条)。
さて、次回から古田法の有効性を評価した報告をご紹介させて頂きます。
参考情報 褥瘡治療を薬剤学的視点から考える
下の表は、上のリンク先の3ページから引用させて頂きました「基材の分類と主な薬剤」です。
下の表は、引用先させて頂きました maruho にリンクしています。