発酵食品 まとめ
発酵食品 まとめ
このシリーズの各項目は、次のように構成させました。
(1)〜(9) 発酵食品の基礎
(10)〜(11) 食品発酵の実際
(12)~ (16) 乳酸発酵豆乳の基礎
(17)〜 (22) 発酵豆乳の効果
((23)〜 (29) 豆乳ヨーグルトの効果
発酵食品のメリット として次の事が上げられます。
1)食材中に含まれる炭水化物・蛋白質・糖質が微生物によって分解され、食材の旨味が増し、美味しく食べられる。
2)食品を醗酵させると、食品自体の栄養価を高めることができます。
3)醗酵食品は、微生物の働きにより適度に消化されていますので、これを摂取することで消化を助けます。
4)pH値を酸性にする事で、細菌や雑菌の繁殖を防ぎ、腐敗を予防できる効果もございます。
また、すでに味噌、醤油、納豆、ぬか漬けやヨーグルトなどの発酵対象食材を理解し、他の食材にも発酵による変化を利用あるいは応用することで様々な食材をさらに楽しむことにつなげて頂ければ幸いです。
発酵食品
(7)主な発酵菌2 ・・・・酢酸菌、納豆菌についての基礎知識の整理。
(8)主な発酵菌3 ・・・・麹菌、酵母菌についての基礎知識の整理。
(12)乳酸発酵豆乳1 ・・・豆乳と発酵豆乳について
(13)乳酸発酵豆乳2 ・・・高脂肪食及び中程度脂肪食に発酵豆乳を加えた効果
(14)乳酸発酵豆乳3 ・・・発酵豆乳を添加した高脂肪食群と中程度脂肪食群の総コレステロールに及ぼす効果
(15)乳酸発酵豆乳4 ・・・発酵豆乳を添加した高脂肪食群と中程度脂肪食群の中性脂肪に及ぼす効果
(16)乳酸発酵豆乳5 ・・・上記(12)〜(15)のまとめ
(17)大豆ペプチドの中性脂肪低下作用1 ・・・過食糖尿病(OLETF)ラット及び大豆ペプチドであるSCP-LD3について
(18)大豆ペプチドの中性脂肪低下作用2 ・・・大豆ペプチドSPC-LD3には培養肝細胞及び過食糖尿病ラット肝臓における中性脂肪合成活性をわずかに抑制する効果が確認された。
(19)大豆ペプチドの中性脂肪低下作用3・・・・大豆ペプチド(SCP-LD3)から疎水性ペプチド除去前の疎水性ペプチドを含むSPC-LD3と除去後の親水性大豆ペプチドの中性脂肪合成活性に及ぼす効果の違いについて検討し、親水性SCP-LD3により強い中性脂肪合成抑制活性が確認された。
(20)大豆ペプチドの中性脂肪低下作用4・・・肝臓における脂質合成に関わる「FAS(脂肪酸合成酵素)、グルコース6リン酸脱水素酵素(G6PDH)、リンゴ酸酵素、PAP(ホスファチジン酸脱リン酸化酵素)」で低下し、
脂肪酸を分解する「カルニチン(carnitine)とカルニチンパルミトイル・トランスフェラーゼ(CPT)」が増加していた
(21)大豆ペプチドの中性脂肪低下作用5・・・大豆ペプチドをゲル濾過及び高速液クロマトグラフィーで分子量に応じて分けたFrc-A、Frc-B、Frc-Cの中性脂肪合成活性及びアポリポタンパク質B100 産生活性に及ぼす影響を検討し、大豆ペプチド(SCP-LD3)の中でもFrc-C分画が中性脂肪合成活性とアポリポタンパク質B100産生を最も効果的に抑制していた事を示しました。
(22)大豆ペプチドの中性脂肪低下作用6 ・・・豆乳に含まれる大豆ペプチド並びに植物性蛋白質由来の小分子ペプチドには、中性脂肪合成抑制活性やアポリポタンパク質B100産生抑制活性を通して、脂質の地区世紀を抑制させる効果が確認された。
・・・・上記(17)~(22)については「大豆タンパク質由来ペプチドの多面的生理機能の解
明に関する研究」中森, 俊宏 にも詳しく説明しているので、関心のある方はこちらにも目を通して欲しい。
(23)豆乳を乳酸発酵させた豆乳ヨーグルト ・・・・基礎知識の確認と違いについての説明。
(24)乳酸発酵させた豆乳ヨーグルトに対する期待 ・・・豆乳ヨーグルトが注目されている背景について
(25)高コレステロール食に豆乳ヨーグルトを ・・・高コレステロール食に豆乳ヨーグルトを添加すると体重と肝臓重量の増加を抑制できる!
(26)内臓脂肪及び皮下脂肪は? ・・・高コレステロール食に豆乳ヨーグルトを添加すると内臓脂肪及び皮下脂肪の増加を抑制させた。
(27)肝臓の脂質は? ・・・コレステロール(A)、中性脂肪(B)及び総脂質(C)の量は、対象群である高コレステロール食に比べ、乳酸発酵させた豆乳を添加したF-5、F-10で大きく増加が抑制された。
(28)豆乳ヨーグルトの血中脂質に及ぼす効果 ・・・高コレステロール食に豆乳ヨーグルトを混ぜたエサを5週間投与すると、総コレステロール、non-HDLコレステロール、中性脂肪の増加を抑制した。
(29)豆乳ヨーグルトの脂質代謝遺伝子発現に及ぼす効果 ・・・コレステロール合成関連遺伝子であるSREBP-2の発現は、豆乳ヨーグルトを混ぜたエサでわずかに減少し、コレステロール合成調節蛋白遺伝子であるCYP7a1の発現は、明らかな増加が認められた。
これらの結果から、高コレステロール食を与えられたラットでは、豆乳ヨーグルト(乳酸発酵させた豆乳)成分が血中のコレステロールを感知し、肝臓におけるコレステロール合成を抑制する成分が肝機能を調節していると考えられます。
<関連情報>
新規乳酸菌を用いたおから・豆乳発酵食品の成分特性
高木 尚紘、北脇涼子、他。
武 庫川女子 大学 大学 院 生 活 環境学研 究科食物栄 養学 専攻、他。
武庫川女子大紀要(自然科学)、Bull.Mukogawa Women ’s Univ.Nat.Sci. 54, 31−35, 2006.