浅漬け騒ぎ (2)O157に対する次亜塩素酸ナトリウム溶液による洗浄殺菌効果
浅漬け騒ぎ (2)O157に対する次亜塩素酸ナトリウム溶液による洗浄殺菌効果
厚生労働省による消毒の基準は、「大量調理施設衛生管理マニュアル」と言うものらしい(上記リンクは、2012年当時のものから更新されています)。
その根拠となる資料をさがしている過程で、次の報告を見つけた。
論文のタイトル及び公表された雑誌は、「レタス、キャベツおよびキュウリに接種した大腸菌 の O157:H7次亜塩素酸ナトリウム溶液による洗浄殺菌効果」日本食品微生物学会雑誌、22 (3), 89-94 2005.
論文の内容紹介
上記の論文内容を引用すると、
生食用サイズに切断したレタス キャベツおよびキュウリについて 有効塩素濃度100 、200 400ppmの次亜塩素酸ナトリウム溶液の洗浄殺菌効果を検討した。
その結果、野菜に接種したO157 菌数と一般生菌数に対する洗浄殺菌効果は、次亜塩素酸ナトリウム溶液の濃度間に顕著な差は認められなかった。さらに、野菜の浸せき 5分間以降は、 O157菌数と 一般生菌数はほぼ一定となり、菌数減少は認められなかった。
結論
上記論文の結論は次のようなものであった。
「これらの結果から、野菜・果実の洗浄殺菌で単に次亜塩素酸ナトリウム溶液の濃度のみ高めても、期待されるほど殺菌効果が上昇しないと考えられた。」
私見
上記の論文を読むと、野菜・果実の切断面に接種したの菌数は、ほとんど減少しなかったことから 野菜・果実の切断面に食中毒菌等の汚染があった場合、洗浄殺菌は非常に難しいと結論つけている。
この論文を見る限りにおいて、野菜を包丁できざんでから塩素消毒しても、切断面に付着した菌に対して消毒の効果は低いことは明らかである。
さて、それでは厚生労働省の「大量調理施設衛生管理マニュアル」に書かれている根拠はどこにあるのだろうか?