健診は大事で、検診はもっと大事です
健診は大事で、検診はもっと大事です
身体の健診と検診
健診とは、健康診断のことで、健康状態であるか否かを確かめるための検査を行います。
この健康状態の確認とは、「病気の危険因子」があるか否かを調べますが、「特定の病気」を発見するための検査ではございません。従って、検査(項目)の特異性はそれほど高くありません。
他方、検診とは、ガン検診の場合に、使われる用語で、特定の病気を早期に発見し、早期に治療することを目的としています。
つまり、予防や早期治療を目的としています。
具体的には、大腸ガン検診、胃ガン検診、肺ガン検診、あるいは乳がん検診や子宮頸がん検診などの「ガン検診」を意味しています。
各市町村で行っている検診で、四日市市のガン検診はこちらです。
高齢化に伴って、発ガン率は急速に上昇しますので、「年をとったからもう検査はやらない」と言う判断は、同時に「病気になった場合には、治療を受けずに死を待つ覚悟をしておられるのでしょうか?」
多くの場合、具合が悪くなってから病院へ通えば良いだろうと考えている事が多く、決して「病気なら早く死ねる」とは考えていないと思われます。
そして「ガン」の場合、早期発見ほど治癒に至る治療効果は高いものの、発見が遅れるほど「治療そのものが大がかりで時間もかかる」事になることがほとんどです。
車の場合
私はこの30年余りの間、利用してきた車は中古車ばかりで、まさに道具として車を利用してましきたが、友人の中にはそこそこ使ったあとに新たな新車に買い換える向きも多い。
当然のことだが、まだ乗れるけれども、中古車としての価値が下がりきる前に売ることで、次の新車購入の持ち出しを減らす事が主たる目的なのだろう。
その知人の本質は、新しい車を気持ちよく利用したいからであろうが、考えようによっては、病気になる前に病院を受診したり健診を受ける事と考えると、その選択は間違いではない。
私から見れば、飾って?置いておく事の多い車に多額の費用を出して、結果的に費用対コスト字はどうなるか?
車の購入費用-売値/利用年数/年間の維持費/走行距離
500万の車の場合には、次の様になる。
但し、年間の維持費と走行距離は同じと仮定する。
500万-300万/5年使う ・・・ = 200万/5=40万
80万-0万/10年使う ・・・・・・・80万/8=8万 ・・・・走行距離は2倍になるので、実質4万。
つまり、新車を気持ちよくのるためにザッと10倍の費用をかけた生活をしているのだから、10倍もの満足を得ていれば納得できる。
これを(全額自費負担の)健診に置き換えてみると、次のように考えられます。
ガン検診
毎年全身のガン検診としてPET検査(1回10万円)を受けると、10年で100万円もかかる。隔年なら50万円くらいだろう。
もし、ガンが早期に見つかれば、その後の人生も、定期的な検査で突然死を免れるとまでは言えないが、ほぼ安全運転で生きていけます。
他方、具合が悪くなってから病院を受診した場合、特にガンの場合には自覚症状が現れ難いことが少なくないので、突然、その後の人生に不安を覚える事になると考えられます。
・・・そして多くの場合、次々と検査が繰り返されることで、不安な日々を過ごすこととなる。
その結果、ガンではなくても安心して生きられるかどうかについては、不安が残る。
つまり、ガン検診は、受診した時点における自分の安心を担保するものと言えます。
なぜなら、ガン検診を受けていない場合には、現状が安心である保証がどこにも無いに等しいからです。
そして多くの場合、ガンが見つかってから、検診を受けておけば良かったと考える事の方が明らかに多いからです。
車なら価値観の違いの一言で片付けられるが
新車の場合には、ほとんど点検の必要も無いに近いので、安心である。
つまり、安全と安心のために費用をかけていると考えるなら、健診や検診の費用も早期発見、早期治療の安心のためであろう。
他方、中古車に慣れていると、車の不具合には慣れてくるので、買い換えの時期は、修理費用と修理後に乗り続けられる期間とを想定すれば、余命の判断はできるようになる。
すなわち、持病がある人の方が健康に気をつける生活習慣や食生活を意識して日々を暮らすだろう。
従って、自分が75歳までは安心して生きていたいと思われるなら、せめて毎年の行政サービスとしてのガン検診を受けておくべきではないでしょうか。
さらに、家族や親族にガン患者さんがいた場合には、PET検査を隔年で受けてはどうだろうか。
費用対効果の比較
200万円の車を8年程度乗るなら、 200/8=25万円/年間
55歳~75歳までの20年間をPET検査(一回の費用を10万円と仮定する)で安心して暮らそうと思うなら、隔年の受診で総額100万円かかるが、年間の費用は、100/20=5万円 である。
ご夫婦で10万円くらいだろう。
この費用を高いと思うなら、次の計算はどうだろうか。
50万円の中古車を5年乗る場合、 50/5=10万円/年。
これでもまだ高いなら25万円の車を5年乗るとすると、
25万円/5=5万円 となり、PET検査と同程度だが、さすがに25万円の車ではあまり安心は出来ないのではないでしょうか。
・・・と考えると、PET検査を20年間隔年で受診し、毎年5万円程度の負担なら高くは無いと思えないだろうか。
加えて、ガンが見つかったなら、少なくとも高い車を手放すとなると、車にかける年間費用はもっと上がるだろう。
さて、長く安心して生きるための費用対効果をどう考えるかは、一人一人の価値観で決まる。
車とガン検診のどちらに費用をかけることが、安心して生きられるかを、この機会にもう一度考えて頂きたい。