貯まる脂肪と燃える脂肪 (13)トウガラシで汗をかく機序1
貯まる脂肪と燃える脂肪 (13)トウガラシで汗をかく機序1
カプサイシンで汗をかく機序
唐辛子の辛味成分であるカプサイシンは、舌の感覚神経を刺激し、辛みを感じさせます。
さらに食べ過ぎた時や、感受性の強い方は少し食べただけでも、辛みよりも痛みを強く感じたり、味を感じにくくなったりすることがあります。
その理由は、唐辛子に含まれるカプサイシンが口や食道、胃粘膜を刺激することによりますが、カプサイシンには他にも唾液分泌を促し、食欲を増進させる作用もあります。
その一方で大量のカプサイシンが体内に入ると、粘膜が傷つき、消化管粘膜が荒れたり、咳が出たり、息切れがすることもあります。
さらに、カプサイシンが体内に吸収されると、身体が熱くなったり、汗が出たりします。
カプシノイド(カプシエイト、dihydrocapsiate、及びnordihydrocapsiate)は、カプサイシン様化合物でありながら唐辛子に含まれる「非辛味成分」を指しています。
カプシノイドは、カプサイシン同様に交感神経を刺激し、熱発生、エネルギー消費量を増やし、脂肪の酸化を増加させます。
これらのことから、カプサイシン及びカプシノイドは、体脂肪を減らす効果が期待されています。
そこで今回は、カプサイシンあるいはカプシノイド摂取により発汗と熱産生の機序について調べてみました。
カプサイシン(Capsaicin)の化学構造は、バニリルアミンと脂肪酸がアミド結合したカプサイシノイドと呼ばれるアルカロイドの一種です(下図)。
カプサイシンの受容体(TRPV1、 transient receptor potential cation channel subfamily V member 1、一過性受容体電位カチオンチャネルサブファミリーVメンバー1 )
カプサイシンの受容体である TRPV1 は、感覚神経にあり、カプサイシン、43度以上の熱刺激、酸など複数の刺激で活性化します(下図)。