関東と関西の違い (10)他者との関わり方
関東と関西の違い (10)他者との関わり方
これまでこのシリーズで紹介させて頂いた「関東と関西の違い」の他にも両者には様々な違いがございますが、今回は「他者との関わり方」について整理してみました。
知らないヒト、面識のない人との関わり方
居酒屋、レストランやスーパー、映画館など、ヒトが集まるところで、「今まで過去に一度も話したことのないヒト」、いわゆる面識のない人との関わり方に大きな違いがあるように思います。
東海地方より東側では、基本的に知らないヒトと話をするということは、よほどの理由がある場合以外には、ほとんどないように思われますが、いかがでしょうか。
ところが、関西では、居酒屋や食事どころ、あるいは病院やスーパーでさえも、知らないヒトと話すことは、ごく日常的にございます。
上記のように偶然隣り合わせた場合だけではありません。
例えば、消耗品的な衣類よりも もう少し選んで買おうとしている衣類の買い物の際、お客と販売店の店員のやり取りの間に割って入って、値引き交渉までしてくれる「大阪のおばちゃん」の対応は珍しくありません。
無敵の大阪のおばちゃん
上のような買い物の場に、たまたま見ただけ、あるいは居合わせただけの「大阪のおばちゃん」は、何の躊躇もなく、まったくおばちゃんとは関わりのない婦人が選んだ衣服の価格交渉に割って入り、値引き交渉してくれることも珍しくありません。
特に、関西地方を訪れた関西人ではない買い物客は、値札通り購入しようとします。
それに対して、関西のヒトは、おばちゃんに限らず、何らかの値引き交渉は日常的なあいさつのように気軽に値引きを要求します。
それどころか、関西人ではない買い物客が値札そのままの価格で支払いをしそうな状態を見るなら、お客と店員との間に入り、値引き交渉までします。
だからといって、大阪のおばちゃんは、値引きしたことを恩に着せて、金銭か何かを要求するようなことはございません。
この場合、大阪のおばちゃんは、何らその店の得意客でもなく、常連でもありませんが、そんなことお構いなしに、しかもお客の承諾もなしに勝手に値引きを要求します。
そうなると、さすがに店員も大阪のおばちゃんを無視することはなく、落とし所を考えて、大阪のおばちゃんとお客そっちのけで値引き交渉が始まります。
このようなことは、まず関東ではあり得ないでしょう。
関東から関西を訪れた訪問客にとっては、かなりのカルチャーショックを感じることは間違いございません。
すなわち、大阪人は面識のないヒトとの会話、あるいは絡み(からみ)を何ら断りや承諾を得ることなく介入します。
他方、関東では知らないヒトに声をかけることはほとんどありませんので、大阪で上記のような経験をされると、驚かれると共に警戒もするでしょう。
しかし、そんな関東人の驚きや警戒など気にすることなく、突っ込んで絡んでくるのが関西人のように思われます。
それでも心配はありません。
関西人は、自らが特異の「ボケ」を披露して、ウケをねらうでしょう。
・・・これもまた、関西の特徴です。