日本脳炎ワクチン接種に伴う死亡事例に関する厚生労働省の見解
日本脳炎ワクチン接種に伴う死亡事例に関する厚生労働省の見解
厚生労働省は2012年10月31日、日本脳炎ワクチンの接種に伴う死亡例についての小委員会を開いた。 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002ndoo.html
死亡事例は http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002ndoo-att/2r9852000002ndq5.pdf によれば、以下の2例である。
2012年7月 接種を受けた9歳未満の子供が発熱・けいれん後、急性脳症を起こして1週間後に死亡。
2012年10月17日 岐阜県美濃市の小学5年の男児(10)が接種直後に意識を失い死亡。
今回の小委員会では上記2例の死亡原因とワクチン接種との因果関係について話し合われた。
委員会の内容は、上記の死亡事例のリンク先を見ると、7月の例では、日本脳炎ワクチンと急性脳症との因果関係は不明。ワクチンの関与を積極的に否定する根拠もないことから、因果関係は不明とした。
また、10月の例では、専門家6名の意見を併記してあるのみで、委員会としてのまとまった意見には至っていないが、概ねワクチン接種と突然死との関係には肯定も否定も出来ないと言った所のようです。
結論的には、「ワクチン接種と死亡との因果関係は明らかではなく、現段階では接種をただちに中止する必要性はない」との評価をまとめた。
<私見>
上記のように死亡に至らないまでも、因果関係が不明との専門家の意見が目立つように思う。そこで因果関係の解明に向けて、二つの意見を示しておきたい。
1) どのような所見やデータが存在すれば因果関係の説明が出来るのかをより明確にしておくことで、今後の原因解明につなげて欲しい。
2) 単純に一つの原因が死亡という結果を招いているとは限らず、いくつかの要因が重なることで重大な結果を招いている事も考えられるが、そのよう場合の要因間相互作用の影響についてはどうやって解明していくつもりであるかを明らかにして欲しい。
過去にもインフルエンザワクチンによる死亡事例、タミフルの副作用による異常行動など様々な問題や事案において、ほとんど原因を究明できなかったのであるが、その原因はどこにあると考えているのだろうか。
その回答は明らかであり、原因を解明する手法や技術を持たないからであろう。要因の解明には、多変量解析法のマトリックス計算を適応することで解明がすすむ可能性が期待される。
現状では、専門家の多数決で決めるような委員会になっており、様々な患者さんの背景を加味して、科学的に要因及び要因間の相互作用まで明らかにされる事は期待できない。
下記は解析手法の例として示すが、解析手法としてはまだ充分ではない。
非ステロイド性抗炎症薬の術後疼痛に対する処方状況並びに副作用発現における因子の解析
HLA-B、アロプリノールによって引き起こされる重篤な皮膚の副作用の遺伝子マーカーとして* 5801対立遺伝子
訂正:2012年11月7日に上記の多変量解析のリンク先を変更いたしました。