オゾン (2)環境に及ぼすオゾン層の役割
オゾン (2)環境に及ぼすオゾン層の役割
前回は、「(1)健康に及ぼすオゾン層の役割」についてご説明させて頂きました。
今回は、オゾン層の破壊と温暖化の関係、及び温暖化の影響について調べてみました。
環境問題におけるオゾン層の役割 ・・・オゾン層が減少すると温室効果ガスが熱を発生する機序は?
環境問題とオゾン層破壊のつながりは、次のように考えられます。
植物も根から酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出していますが、
日中は、植物の光合成による炭酸ガス(二酸化炭素)利用により、酸素の排出量が多くなる結果、植物は炭酸ガスを減らし、酸素を出す働きの方を多く果たしています。
しかし、地球温暖化の原因は、環境破壊により植物が減らさせることで、結果的に温室効果ガス(二酸化炭素やメタンなど)の排出量が増えます。
地球規模で考えますと結果として、環境破壊により植物による二酸化炭素処理量が減らされることで、植物からの酸素供給量も減りますので、地球表面を覆うガスとして温室効果ガスが増え、酸素が減ることにつながります。
さて、この「二酸化炭素がどうして温室効果ガスと言われるか?」については、オゾン層が減らされると太陽からの波長の長い赤外線がより多く地球に注がれます。
この太陽からの赤外線のエネルギーを二酸化炭素やフロンガス、メタンなどの温室効果ガスと言われる分子が吸収すると、分子のエネルギー状態は励起されます。
励起された(温室効果ガスの)分子は、周囲に他の分子がなければ、励起エネルギーが放出されますが、周囲にもたくさんの分子があることで、他の分子と衝突を繰り返すことで熱を発生します。
その結果、太陽の赤外線エネルギーで励起された温室効果ガスが気温を上昇させることで地球環境の温暖化が進みます。
これらのことから、二酸化炭素などの温室効果ガスの発生を減らすことで温暖化を抑制できると考えられます。
二酸化炭素が温室効果を持つ仕組み ・・・リンクしてます。
温室効果を持つ分子と持たない分子の違いは、その分子が赤外線を吸収するがどうかで判断できると考えられます。
赤外線を吸収しない分子とは、同一の原子で構成される分子で、例として、酸素(O2)、窒素(N2)などです。
他方、赤外線を吸収する分子の特徴は、異なる原子同士が結合している分子で、例として二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、フロンガス類の他、多数存在します。
赤外線を吸収する分子の励起は、このような異なる原子を持つ分子なら、どのような分子も赤外線を吸収し、励起されることでエネルギー状態が高まります。
こうして励起された分子同士が衝突することで熱が発生し、この熱が大気中に留まることが地球温暖化に至る原因と考えられます。
温暖化が進むとどうなるか?
地球環境の温暖化が進むと、単に平均気温が少し上がるだけではありません。
それ以外の影響として次の問題が指摘されています。
1) これまで以上の暑熱や洪水の増加による生活の破壊リスクが上がる。
・・・・・農業・畜産の混乱、水産業への影響などに伴う、生態系の急激な変化については予測できていません。海水面の上昇により、利用できる農地や安心して住める土地が減る。
2) 異常気象による交通・通信機器への影響による産業への影響リスク。
・・・・・人口が増えても、これまでのような工場や会社の稼働時間を制限しなければならない。
3) 酷暑による熱帯性の感染症拡大や病害虫の増加に伴う、衛生環境の低下リスク。
4) 上記に伴う食料不足と食品管理の安全性の低下リスク。
・・・・・水不足から、農畜産物の低下と水産漁獲量の低下。森林の減少。
5) 砂漠化が進み、広範囲で生物多様性に影響が懸念され、多くの生物種の絶滅リスクが高まります。
6) 冷暖房のためのエネルギー消費の増加に伴い、さらに自然破壊が進み、温暖化をくいとめられなくなる。
・・・・これらの変化に伴い、土地や食料、水及びエネルギーの奪い合いで、紛争が発生し、環境保護政策が進まなくなると、飢餓や紛争が多発する可能性まで指摘されています。
そして、もはや電力の節電くらいでは、元の自然環境に戻せる可能性は、極めて低いと考えて対応していく必要があるのではないでしょうか。