オゾン (5)オゾンの脱臭・消臭メカニズムと脱臭力
オゾン (5)オゾンの脱臭・消臭メカニズムと脱臭力
前回の「(4)薬物テロや廃炉におけるオゾン利用と殺菌力」では、具体的に化学テロや生物兵器テロで使用される可能性の高い毒物や細菌に対するオゾンの無毒化、除菌力をご紹介しました。
今回は、再び身近な脱臭、消臭メカニズムと脱臭力についてご説明させて頂きます。
オゾンの脱臭・消臭メカニズム
従来の消臭剤の多くは、臭を他の臭い物質で包み込む芳香剤を使っています。
最近では、様々な消臭機序をもつ消臭剤が販売されており、概ね次のように分類されます。
脱臭剤・・・・一般に臭気を除去する目的で使用されます。居室、トイレ、車内。
消臭剤・・・・化学反応または感覚作用で臭気を除去するもの。トイレ。
芳香剤・・・・臭気を他のにおいで隠ぺ い(マスキング)するもの。台所。
防臭剤・・・・臭気の発散を防ぐもの。冷蔵庫、靴箱。
また、これらの作用を有する物質を混合し、ゲル状、リキッド状、樹脂状,エアゾール状態で使用される。
他方、オゾンによる脱臭・消臭は、悪臭の素をオゾンで酸化分解する作用によって、効果が得られます。
オゾンの脱臭力は?
オゾンによる脱臭効果は、食品関係に限らず、下水道、し尿処理、浴室、病院、老人施設、畜産、水産関係などでも広く利用されています。
・・・・そしてオゾンの脱臭力を利用して「ダスキンは、オゾン脱臭・除菌サービス」を開始しています。
このオゾンによる脱臭機序は、悪臭成分の酸化分解、オゾンの臭気成分との中和作用によって脱臭効果を発揮すると考えられます。
なお臭い成分により、オゾンの反応は異なります。
食品工場などで発生する臭いの多くは、微生物に由来することから、殺菌と脱臭が同時に行われす。
その反応機序は、臭気成分の化合物の化学構造には -SH、=S、-NH2、=NH、N、-OH、-CHO基を有する化合物が多い事が知られています。
そこで、これらの化学構造を有する化合物とオゾンの反応性が高いことから、オゾンによる脱臭が効果的に発揮されます。
それぞれの物質の臭気の脱臭度、脱臭力は、こちらのリンク先の中段以下にある「オゾン水の脱臭効果の例」の表にある「除去率」を参照して下さい。