介護 (3)介護福祉士資格の問題 地域医療に貢献する 介護 (3)介護福祉士資格制度の問題 介護福祉士になるには 介護福祉士は国家試験合格または厚生労働省が認定した養成施設卒業によって得られる「国家資格」です。 しかし厚生労働省は2005年、「介護に携わる者の資格を介護福祉士に一本化する。」方向を打ち出し、介護福祉士は平成27年度(第28回)試験から受験資格が変わります。 これまでこの資格は、養成施設を卒業すれば取得できていましたが、平成27年から介護福祉士の資格を希望する全ての人が、「受験」して合格しないと取得できない資格となります。 また、来年度から徐々に受験資格についても変更される予定です。詳しくは、こちらを参照して下さい。 また、国家試験の試験問題も一部公表されています。 介護福祉士制度の問題 他方、2011年12月7日 読売新聞によれば、富山県内4校の介護福祉士養成校の定員充足率は6割で、過去には定員を減らしている。すなわち、国家試験の受験を必要としないにも関わらず、将来の介護の分野における人材不足はすでに始まっていると言えます。 他方で、経済連携協定( Economic Partnership Agreement:EPA)で、経済の自由化と同時に人の地域間協力においても障壁をなくそうとしている、そのでこのEPAで来日した外国人で介護福祉士を目指す人達がいます。 毎年、日本語に充分慣れないことから、国家試験を通らず無念の帰国に様子が報道されている。 すなわち、この介護福祉士には、病院や介護施設で働きながら国家資格の取得を目指す就労コースと、養成課程を終えれば無試験で国家取得が得られる就学コースがある。 養成学校を経て、国家試験なしに介護福祉士となる道があるにも関わらず、一方で定員に満たない養成学校があるにも関わらず、なぜ多くの外国人に就労コースを選ばせているのだろうか。 就学コースで介護福祉士になった外国人 そこでEPAで来日した外国人が、就学コースを選んだ例がないかどうかを検索してみた。 その結果、2012年3月11日の徳島新聞に、「EPAで初の介護福祉士に フィリピン人就学生、県内専門学校卒業」と言う記事を見つけた。14人のフィリピン人就学生が14人ともそろって卒業し、「これがEPAで来日した外国人としては初めて介護福祉士の国家資格を取得した。」とあります。 その学校は、徳島健祥会福祉専門学校の介護福祉学科で、左のリンク先を見ると介護福祉士の資格を卒業と同時に無試験で取得できると書いてあります。 厚生労働省は国民に必要な介護を準備するつもりがあるのだろうか? このように介護福祉士のための就学コースがあり、かつ定員に満たない養成学校がありながら、なぜ学ぶ機会を与えないのであろうか。これでは受け入れ側に、おおいに問題があると考えられるが、上記の専門学校の快挙を讃えたい。 しかし、平成27年度からはすべて国家試験を経なければならないが、現在でも介護福祉士の学校の中には定員に満たない学校がある状態で、厚生労働省は国民の介護に人材不足を意図的に誘導しようとさえしているのではないだろうか。 さらに、すべて国家試験を通らなければ介護福祉士となれない状態を誘導すれば、これまでの看護師不足と同様な事態を招くことは明らかです。 人材不足のため、EPAで看護師や介護福祉士の希望者を受け入れようと言っている事とさらなる人材不足を誘導しようとしている国の方針には、大きな矛盾が見えてしまう。 次回は、現在の介護分野で主要な役割を果たしているホームヘルパーについて触れます。