寒いときの運動 (5)インナーマッスル
寒いときの運動 (5)インナーマッスル
インナーマッスルとは
インナーマッスルとは身体の深いところにある筋肉で深層筋のことを指します。
インナーマッスルに対して、アウターマッスルは身体の表面にある表層筋のことを指します。
インナーマッスルは体幹の深層筋ですが、体幹筋に限らず、上肢・下肢の筋肉の深層筋もインナーマッスルと呼ばれます。
主なインナーマッスルは、腹横筋、多裂筋、横隔膜、骨盤底筋群です(下図は引用先にリンクしてます)。
インナーマッスルの作用
身体の表層の筋肉であるアウターマッスルは、体幹の腹直筋、大胸筋や肩周囲の僧帽筋や三角筋、上肢の上腕二頭筋、下肢の大殿筋や大腿四頭筋などがあげられます。
これらの筋肉は、いずれも身体の表層を覆う比較的大きな筋肉であり、主に動作時に力を発揮します。身体の表層を見ても筋肉の形が比較的わかりやすい筋肉です。
他方インナーマッスルは、身体の深層に位置しており、体表から見ても働いていることを確認することは出来ません。
しかし、関節の安定や内臓の安定に働き、動作時にもアウターマッスルとともに働いて、姿勢の保持や動作のサポート、内臓の正しい働きを促すために作用しています。
インナーマッスルもアウターマッスルもそれぞれの筋肉が役割を持って適切な時期に働いており、相互の働きによって姿勢の保持や動作が行われています。
インナーマッスルとアウターマッスル
加齢によって衰えやすい下肢の筋肉は、立ち上がり動作や歩行に主に作用する大腿四頭筋や大殿筋があります。
歩行能力の低下や臀部や大腿部の痩せによって、大腿四頭筋や大殿筋などのアウターマッスルの筋肉量の減少や筋力低下は目につきやすい筋肉です。
他方インナーマッスルは、深部に位置していることから、表面的には筋肉が確認しづらいことや関節や動作時の安定性などのサポート的な働きからアウターマッスルに比べて目立ちにくい存在です。
しかし、インナーマッスルとアウターマッスル双方のバランスのとれた次のような働きが必要とされています。
1)「長時間姿勢を保持し続けること」や「動揺の少ない安定した動作」、
2)「方向や力の調節などの微細なコントロール」、
3)「柔軟性に富んだしなやかな動き」、
4)「上下肢・体幹の協調した動き」、
5)「バランスの保持やバランスを崩したときに立ち直る動作」など、
6)長い時間活動し続けられることや、
7)バリエーション豊かな姿勢や動作を行う。
インナーマッスルを意識したエクササイズとしてはピラティスが有名で、リハビリテーションでも深層筋を意識したアプローチが用いられています。
普段何気なく座っているときでもお腹を引っ込めて背筋を伸ばしてみることや、
日常生活の動作で大きく手を伸ばす、
太ももを高く上げる、
身体をひねるなどの動作を取り入れるように心がけること
・・・・などで、普段あまり使うことのない筋肉も働かすことができ、より多くの筋肉をバランスよく使えます。
大きく身体を動かしてみることで、自分の身体の硬さや左右差、苦手な動作や姿勢にも気づくことにもつながるでしょう。